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空中都市ターミナル 白い雲も近づく程に色を失っていつの間にか通り過ぎている。 降り注ぐ太陽の光が濃淡を描いてまた次の雲の山を照らす。 蒼穹の天蓋は何処までも続き、雲の切れ間から空を映す海が覗き、緩やかな曲線を描きつつ空と海の境界線はなかった。 「やっぱり、お前も飛空挺が好きなんだなあ」 「当たり前だろ! 男だったら一度は飛空挺乗りだぜ」 何日も掛けてたどり着いた帝都から辺境のアプリリウスまでだって、飛空挺ならひとっ飛び。定められた道も、委ねるしかない風もない、この開放感。 「だよな。俺も、いつかはアレックスみたいに、自分の飛空挺を持ちたい!」 飛び立って15分、セイバートリィは砂漠の遥か上空に達していた。 下界を臨めるうちは窓にへばりついていたシンも、見渡す限りの雲海と蒼みを増した天空から目を離してヨウランやヴィーノ達と会話をするようになっていた。 「ターミナルって所までどれくらいかかるんだ?」 「半日くらいじゃないか?」 「えっ、ターミナルまで半日で行けるの?」 シン達の会話を聞いていたキラが会話に参加する。 軍用の高速挺ならまだしも、通常であれば半日と言わず、その1.5倍は掛かる空路である。 「そう! それがこのセイバートリィのすごい所!」 「そんじょそこらの飛空挺と一緒にしもらっちゃ困る。なんせ、最速の空賊だから」 最速とは大きく出たものだ。 シンは自分の知る限り、最速の飛空挺は帝国軍の高速挺の中でもフルチューンされた兄の飛空挺。 「最速って、軍の飛空挺より?!」 「勿」 ヨウランの二つ返事に純粋な驚きとちょっとした悔しさを感じるが、キラは普通にその返事に感じ入っていた。 「だからこんな派手な色でも問題ないって事だね」 「ま、ね」 「乗ってる俺達は確実に寿命を縮めているけどな!」 「聞こえてるぞ!」 突如割り込んだ声に、ヨウランとヴィーノが慌てて手を伸ばす。 「やべっ、掴まれ!」 声と同時に全身に掛かる力。回転する視界。 !! 息つく間もなくシンは、背中に衝撃を感じて、目を開けた。 目に入ったのは、幾つものの足と大丈夫そうに覗き込むヨウランとヴィーノ。 一回転した飛空挺で、シン1人だけが床に転がっていた。 「イッテ・・・い、いきなり、何って事すんだよ!」 「そのとろさじゃ、飛空挺乗りにはなれないな」 コックピットの中にアレックスの笑い声が響いた。 恥ずかしさと悔しさとで、涙目で睨みつけるシンだった。 朝、アプリリウスを飛び立って太陽が天頂を過ぎた頃、深紅の飛空挺が空中都市ターミナルを捉えた。空に浮かぶ島に建物があって、そこには大きな街があった。 『少女を帰して欲しくば、採石場にて待つ。逃げるなよ』 オレンジ色の手紙を回し読みして、空中都市ターミナルに降り立った。空の上だというのに快適な気温に、地上と変わらない街並みが見える。 「どこに行くつもりだ?」 ヨウランとヴィーノがセイバートリィに残って整備その他買出し、シンのステラ救出にアレックスとミーア、それにキラが加わる。 「一緒に行ってくれるのかよ」 シンと同じ方向に歩き出すアレックスに問いかける。今まで散々、彼のだらしなくて横着なところを見ているから、進んで助けてくれる姿が少し意外だったのだ。 「その少女を助けないと、報酬とやらが手に入らないのだろう?」 「ああ、そう!」 「採石場は街を向こうにある鉱山だ。さっさと行こう」 評価がコロコロ変わる空賊に、シンは負けじと先を急いだ。 長い階段を上り街の入り口に立つ。そこはT字路になっていて、左に折れれば九十九折の階段が街へと続く。 「こっちは何?」 右手の大きな門の前には衛兵が鋭い槍を持って警備していた。 「バルトフェルト侯の館だよ。この空中都市の領主だね」 「帝国と王国復興レジスタンスとも繋がっている、胡散臭い奴さ。このご時勢の中、自治を守っている事は賞賛に値するけれどね」 空中都市ターミナルをこの時になってようやくシンは思い出した。 帝国に屈するを良しとしない自治領・ターミナル。 算出される鉱石を主要産物として、貿易で成り立っている街。自分とてその領主バルトフェルト侯と幾度か会ったことがあるではないか。 「僕はこの方に用があったのだけど、とても会えそうにないね」 確かにキラは、シン達とは別に用事があると言っていたのだ。 彼はかつてのアプリル将軍だから、面識があってもおかしくはない。しかし、それを今、公にできるかどうかは情勢を見据えなければならず、見ず知らずの旅行者としておいそれと会うことはできなかった。 俺も気軽に顔なんて出せないよな。 そんな事をしたら最後、絶対に兄にばれるだろう。 「それなら、一緒にステラって子を助けに行きましょ」 「そうするしか、ないね」 4人が街を抜けて採石場にたどり着くと、鉱山だけあって、ひんやりした洞窟が目の前に待ち構えていた。薄暗い鉱山のあちこちに惹かれた採石の設備。足元を照らす明かりと、取り出した石を運ぶトロッコとそのレール。 「採石場って、具体的には魔法の元になる石を掘り出すんだよな」 「ええ、そうよ。シードを含んだ石ね」 「それって、売れるのか?」 それが、どうも、よく分からない。 「魔法を使わないシンにはイメージできないかもしれないわね。魔法の源になるシードは空中に僅かに含まれているの、そのシードを集めて魔法を使うの」 「魔法を発動するには多くのシードがいる。だから、シードを多く含んだ石はその手間を減らせるから貴重なんだ」 途中から、ミーアに替わってアレックスが説明を乗っ取って畳み掛ける。 足を進めた鉱山に声が木霊する。 しかし、洞窟に響くのは声だけではなかった。 「こうもりとか!」 「ねずみの大群とか!」 「ゾンビとか!」 「なんでいるんだよ!」 4人は行く手を邪魔するお呼びない存在を相手にしながらステラを探す。鉱山は採掘に沿って幾つも道が分岐し、行っては戻り、戻っては引き返す事を何度も繰り返す。 「シン!」 走り通しで、疲れのためふらりと身体が傾く。運悪くコウモリの超音波で視界がゆがんでしまった。集中攻撃を受け、シンは残った3人が大慌てでそれらをやっつけた後に、へなへなと座り込んでしまった。 「だいぶ、酷くやられたね」 「薬を塗って置けば直るなんてもんじゃないな」 引き裂かれて長袖は半そでになってしまっていたし、頬や手の甲に血が滲み、腕がざっくりと切れている。 「ミーア」 「え、あたしなの?」 ミーアがシンの傍に座って傷の具合を確認する。 「治癒の魔法を掛けてあげる。じっとしていてね」 ミーアが目を閉じて、胸の前でぎゅっと手を握った。 シンはさわさわと空気が流れたと思って、目を瞠った。 空気の流れが目に見えるのだ。 淡い緑色の光が風のようにミーアの手の中に集まっていく。 その手がゆっくりと開いて、手の中から光とも水とも着かないライトグリーンに揺れる何かがシンの腕にこぼれ落ちる。最初は冷たいと思った感触は、次第に暖かくなって、痛みが引いて行く。 光が消えた時、腕に走っていた裂傷が消えていた。 「魔法・・・ミーアは魔法が使えたんだ・・・すごい」 「あら、訓練次第で誰でも使えるようになるのよ」 「俺でも?」 ミーアがシンの腕をぺちっと叩いた。 「勿論よ」 シンを覗き込んで、にこっと笑う。 「二人とも、和んでいる暇は無さそうだぞ」 アレックスの声に顔を上げれば、立ち止まっていたおかげですっかりゾンビに囲まれていた。シンもミーアも立ち上がって、ミーアは弓を引き、シンは剣を構えた。 それから道を引き返すこと2回。 鉱山の道の割れ目から雲海を覗くこと3回。 シン達は今まさに採掘の現場と思われる所に出た。集まったトロッコや、人が大勢集まっていた形跡がある。木箱がうずたかく詰まれて散らかっている。 「誰もいない?」 そんなことは無かった。 靴音に振り向いてみれば、今まさに辿ってきた場所にオレンジ頭と金髪頭の二人が立っていた。 「ようやく着いたか」 しかし、二人しかいない。 「ステラは何処だ!?」 シンが叫ぶと、オレンジ頭が鼻の頭をかきながら告白した。 「あっ・・・と、その子なら、突然、走り出しちゃった」 何となく照れくさそうに見えるのはなぜだろう。 「いい加減だね。女の子をこんな所で1人にするなんて」 呆れた口を開いたのはキラ。しかし、オレンジ頭も黙っていない。 「失礼だな。あの子が勝手について来たから、分かりやすく教えてやったのに。まあでも、ここまでおびき寄せれば俺達的には問題ないっしょ」 「ラスティ! お前っ」 「それって逃げられたってことじゃ・・・」 シンはここまで来てステラいないことにがっかりし、『突然走り出した』の意味を口に出していた。なるほど、確かに男二人が少女1人に逃げられてしまっては、堂々と言うのは憚られるかもしれない。 「変な事言いながら、急に凶暴になってねえ。その子を探しに行きたきゃ、行けば? きっと奥だぜ。っと、アレックスはここまでだけど」 「ミゲル・・・しつこい男は嫌われるぞ」 ため息交じりで呟くアレックスにミーアが尋ねる。 「どうするの?」 「どうするって、俺はミゲル達に捕まる気はさらさらない」 元々は、アレックスを追う奴らが彼をおびき出そうとステラを攫ったのだ。彼らにしてみれば、アレックスさえここに来れば目的は達したわけだ。後は、何やら揉めているらしい彼らとアレックスの問題・・・と言うわけには行かなかった。シンはダシに使われたステラを助けに来たのだ。 「何ごちゃごちゃ言ってんですか。ステラを探さないと!」 肝心のステラがいなくてはシンがここまで来た意味が無い。アレックスのことは放って置いて、彼女の行方が気になって仕方がなかった。4人がかりで何とかたどり着けた採石場なのだ、あんな少女が果たして無事だろうか。 居ても立ってもいられなれない。 その焦燥が皆に伝わってくる。 シンは言うに及ばず、キラもミーアも、勿論の渦中のアレックスにも。 「と言うわけだから、俺はここで失礼する」 走り出したシンを追ってキラが続き、アレックスとシン達を交互に見るミーアが背中を見せると、アレックスも手を振って奥へと走り出した。 「あっ、こら待て! そっちは・・・」 行き止まりだけど・・・。 シン達がラスティの呟きを聞くことは無かった。 更に奥へと進むと、ちょっとした空洞の壁が僅かに光を放っていた。 「ここは・・・」 ミーアが胸を押さえて足を止める。 まさに採掘の現場だった。抉れ、穿った後が残る。 「ステラ!?」 空洞の真ん中に少女が倒れていた。 シンが駆け寄って、ステラを抱え込む。 冷えていたけれど、奥から体温が伝わってくる。鼓動も微かな吐息も。 息がある。 良かった。 ホッと一息ついて、軽く頬を叩くと目を開けた。 「・・・シ、ン・・・?」 自分の力で身体を起こして、シンを凝視する。その後、くるりとあたりを見渡した。自分がどこにいるか分からないといった感じでぼんやりとしている。 「あれ・・・たねいしがない」 「・・・? ステラ、変な奴らに誘拐されたんだよ。覚えてるか?」 「誘拐・・・?」 事態が飲み込めずに彼女は、シンの周りを見上げて、びくっと震える。見知らぬ人間を見つけたのだ。シンは慌てて彼らの紹介を始めた。 「この人達と一緒に助けに来たんだよ。大丈夫、怖くないって」 「本当?」 「ああ、この人がミーア、その横がアレックスで、俺の後ろにいるのがキラ」 ミーアがしゃがみこんで、手にキャンディーを差し出した。ステラの視線はミーアの頭の上に集中する。 「みみ・・・・・・」 「あたし、キャンベラなの。よろしくね」 そろそろと包みを取って口に入れると、ようやく落ち着いたのかステラ立ち上がる。 「ステラ、たねいしを探しに来たの。見つけたと思ったのに、ここにない?」 「は、タネイシ?」 「うん、研究所がここで作っているって聞いたから」 シンはポカンと聞いているだけだったが、アレックスが反応して少女を見る。 ポツポツと話すステラは、どうやらオレンジ頭達に無理やり誘拐されたわけでもなさそうだった。タネイシやら研究所はさっぱり検討が付かないが、こんな所にずっと居るわけにもいかない。 「早くここを出―――」 「でも、ここの石を使えば人工タネイシができるかも・・・」 シンが早く帰ろうと言おうとした矢先、ステラがトコトコと採掘中の壁に近寄る。しかし、そんなステラを放っておかない人間がいた。すばやく彼女の肩を掴んで振り向かせる。 「なんで、そんな物騒なモノを知っている。あの秘密研究所とどういう関係だ」 問いただしたのはアレックスだった。 凡庸と見上げるステラが口を開くが。 「え、ステラ知らない。ネオから聞いただけ、今度の狙いは人工タネイシなんだって」 「人工種石だと!?」 驚いた彼が繰り返した時、背後から暢気な声がした。 「お取り込み中悪いんだけどさ、アレックス。お前の相手は俺達だって事忘れてない?」 舌打ちして振り向いた彼は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。 ミゲルとラスティがすぐそこまで来ていた。 急にアレックスがステラに掴み寄ったから忘れていたが、自分達はステラを助けてさっさとここをおさらばしたかったのだ。 「逃げなきゃやばいよね」 「どうやってさ、あいつを囮にしてか?」 キラとシンがこそこそを逃げ出す算段をする。彼らの狙いはアレックスだから上手く差し出せば逃げられるかも知れない。けれど、キラが笑って足元の石のかけらをいくつか拾い上げた。 「残念だけど外れだよ。答えはこうやってさっ」 言うなり拾い上げた石をミゲルとラスティに投げつけた。 それは見事に二人にヒットして、顔を抑えてうずくまっている。となれば今の隙に逃げるしかないことなど百も承知。シンはステラの手を引いて走った。 「こら、待てっ!?」 よろよろと立ち上がる二人の横を通り過ぎれば、彼らの声が背中に当たる。シン達は必死に鉱山の出口まで走った。途中であったコウモリやゾンビなど目もくれずに、それこそ一目散に逃げた。 出口の明かりが見えてホッとしたのもつかの間、ずらりと並んだ警備の男達にシン達はとっ捕まった。空中都市側からすれば、大切な金蔵である鉱山に無断で侵入した犯人を捕らえに来たのであった。 帝国兵とまでは行かないまでも彼らも鎧を身に纏い、後ろ手にシン達を拘束して護送車に乗せようとする。 「やめろよ!」 「静かにしろ、盗人がっ」 「俺達はステラを助けに来ただけだっ、何も盗むつもりなんてない!」 「黙れ、空賊の分際で!」 「分際なんて言われると腹が立つな・・・」 アレックスが一人ごちる。 「文句を言っている場合じゃないけど」 「そうよねえ」 シン1人が騒ぎ、他のメンバーはいたって冷静である。ステラにいたっては言われるがままに拘束されてもう護送車に乗り込んでいる。 自分はいい。バナディーヤにも行った身だ。 キラやミーア、アレックスだって、いざとなれば1人でなんとかするだろう。 けれどステラは? ステラのことを気にしているのは、ここではシンだけなのだ。アレックスとミーアは空賊で報酬の為に付き合っている。キラも差し当たり行く所がないからだ。 俺があの子を守らないと! 「触るなっ。俺は空賊じゃない!」 「空賊じゃないなら名を名乗れ。身の証は!」 空賊は自由人だ。 何処の国家にも属さないことが多い。しかし裏を返せば、ほとんどの民がどこかのコミュニティ、つまり国家なり都市に属している。国民であり、市民である。 「俺はシン。シン・アスカ・プラント。どうなったって、知らないからなっ!」 警備兵達の動きが一瞬止まる。けれど、それだけだった。 「プラント? ふざけたことを言うな! 帝国の王子がお前のような薄汚れたガキなわけないだろう!」 「本当だったらどうする! 俺が王子じゃないって言い切れるのかよ!」 相変わらずシンと警備兵達の問答は続くが、顔を見合わせたのはアレックスとミーアだ。そこにキラが寄ってきて耳打ちする。 「君達、自分で判断したくないなら、君達の上司にでも尋ねたら?」 子供騙しに引っかかったというヘマはしたくない。けれど、もし本当に王子だったらと言う不安がゼロであるわけでもない。判断しかねる警備兵達にキラが助け舟を出したのだ。 「バルトフェルト侯なら王子に会った事くらいあるだろう」 警備兵が仲間を集めて相談し、どこかに連絡を取る。 「えっ、しかし・・・ですが・・・はあ、了解しました」 彼らは腑に落ちない顔でシン達の拘束を解いて、護送車へと乗せる。先に乗り込んでいたステラの拘束も解いて、来た時に見上げるだけだった屋敷へと続く大きな門を潜った。 「ってことは、俺、帝国の王子様に間違われたんだな~」 「えっ、どう言うこと? アレックス」 護送車の中で、アレックスがシンを指差す。 「初めて会った時、シンの奴、俺のこと自分の兄と間違えたんだよ」 そう言うアレックスはシンが帝国の王子であると全く信じていないのか、未だ持ってこいつ呼ばわりである。シンは上目使いに睨みつけるが相手には全く通じていない。 「えっと、帝国の王子って確か4人いたわよね」 ミーアが護送車の天井を見上げて、唇に人差し指を当てる。うーんと何かを思い出すポーズだ。長い耳がギリギリ天井に当たりそうで当たらない。 「黒いわかめ頭の長男と今度アプリリウスに来た銀髪、それから・・・3番目が死んでて、最後、4男」 「シンは最後の4男に化けるわけだね、しっかりやりなよ」 3人が笑ってシンを茶化す。 全く持って面白くない。 屋敷の前で憮然として護送車から降りる。 「判断を仰ぐだけだ。貴様らの疑いが晴れたわけではないからな!」 賓客対応とは行かずに通用口から屋敷に入ることになったが、バルトフェルト侯に会った時の反応を予想して、シンは反撃の機会を待った。 「侯爵がお会いになります」 「やったな、キラ」 呼びに来た小間使いにアレックスがキラに言う。シンは二人を見ると、気が付いたミーアがウィンクする。 「ほら、キラは侯爵に会いたかったでしょ。作戦成功ね!」 俺の作戦は成功した・・・のか? シンは自問自答した。 自分のことがバレナイのならそれに越したことはないし、ステラが守られるなら別にそれでいいのだ。なんとなく気を張っていたのが分かって、息を吐き出す。 「シン、どこ行くの?」 「侯爵様に会いに行くんだってさ。いい子にしてろよ、ステラ。偉い人なんだからさ」 「うん。分かった」 と、本当に分かったのかどうか怪しいステラを筆頭に、どこか浮かれ気分の一行は重厚なドアを開けて、侯爵の書斎へと導かれた。 「これは・・・」 目を見開く侯爵は一体誰を見ていたのか。 「懐かしい顔だ」 シンは必死に侯爵に目で訴える。 俺にことは秘密にしておいて欲しい! 「ヤマト将軍。無事であったのか・・・」 キラを振り返って、肩の力を抜く。 「それに、お久しぶりですな」 ギギギ・・・と首が回る。油の足りない機械のようにシンはバルトフェルト侯爵を振り返った。予想される言葉。 「殿下も。家出中だと、ここまで届いているがね」 4人の視線が集中するのが痛いほど分かった。 戻る 次へ ここでばれてしまうわけですが、どうなるどうする?
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2008年11月27日(木)の記事 クリスマスファンタジーグッズ・お土産 クリスマス・ファンタジー・プラザ スペシャルメニュー&グッズ クリスマス・ファンタジー スペシャルグッズ 25周年記念グッズ お正月グッズも販売中 クリスマス・ファンタジー お土産 ~ クッキー ~ 食べた後にこの缶使えると思ってチョイス おなじみの ~ チョコレートクランチ ~ ポピュラーなクランチ!美味しいよね クリスマス・ファンタジー・プラザ ~スペシャルメニュー~ ソフトクッキー(メイプル&ココア) 2枚で300円 ミッキーの手と同じような食感でした。。。
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ファイナル和風ファンタジー 登場人物 男 村人 妖怪 男1「日差しが心地よい。小春日和の良い天気だ。 そういえば、この近くの花咲村は桜の名所と聞く。 屋台や芝居小屋も多く、明るい村だそうな。 折角だ、足を伸ばしてみるとしよう。」 (男は村に着いた) 男2「な!?」 (どよーーーーん…と暗い村) 男3「暗ーーーーい!! 全体的に暗ーーーーい!!」 男4「な、なんだこれは…… 評判とまったく違うではないか……」 男5「おい、そこの村人よ。 これは一体どうしたのだ。」 村人1「へえ、実は……」 (村人は説明した) 男6「なんだと、妖怪が!」 村人2「へえ。この近くの沼に恐ろしい妖怪が棲みつき、 村の草木をからしているのです。 おかげで美しかった村もこのありさまでございます」 男7「その沼とはどこにある?」 村人3「村から半里ほど歩いた場所にございますが……」 男8「わかった。 では私がその沼に行き、妖怪を退治してしんぜよう」 村人4「そんな無茶な……! 妖怪を倒そうと向かった者たちも皆帰らぬ者に……」 男9「なに、案ずるな。 ……これも何かの縁だ」 (男は沼に着いた) 男10「ここか……」 男11「沼の主よ!!姿を現せ!! 私が相手になってやろう!!」 (沼から妖怪が現れる) 妖怪1「フハハハハハハハハハ!!!! こりずにまた現れたか、人間どもめ!!!!」 男12「貴様がこの沼に巣食う妖怪か!」 妖怪2「如何にも。俺様は大魔王ルシフェル!! 邪悪なる魔物たちを統べる者! 貴様ら人間の絶望と憎しみを糧に生きる者……」 男13「待て。世界観が……」 妖怪3「怖気づいたか!!」 男14「いや。だから……」 妖怪4「フハハ!!食らえ!! ストーム・ブラスト!!!!」 (妖怪が魔法を放つ) 男15「受け止めよ、秘剣ムラサメ!!」 (男の剣が衝撃を吸収した) 妖怪5「なに!俺様の魔法を受け止めただと!! 貴様……『魔法吸収』のスキルを習得しているな!!」 男16「我が剣ムラサメマルは魑魅魍魎を無に帰す破邪の剣(つるぎ)! 一子相伝の秘剣(ひけん)! 彼世の術など、私には通じぬ!!」 妖怪6「一子相伝の秘剣……まさか主は!」 男17「如何にも!私は」 妖怪7「勇者ロタの血を引く者か!!!!」 男18「源の血を引く者だ!!!!」 男19「人々を苦しめる悪鬼め!!ここで散ってもらう!!」 男20「黄泉に帰れ!!!!」 (男が剣をたたきこむ) 妖怪8「ぐああ!!」 妖怪9「フッ……この俺を倒そうと、第2第3の魔王が……」 男21「散れ」(突き刺す) 妖怪10「アァァァアアアアーーーー」 (妖怪は塵になり消えた) 男22「……欧米か」
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ファイナルファンタジーXVI 【ふぁいなるふぁんたじーしっくすてぃーん】 ジャンル アクションRPG 対応機種 プレイステーション5 発売・開発元 スクウェア・エニックス 発売日 2023年6月22日 定価(税込) 通常版 9,900円コレクターズエディション 38,500円デラックスエディション 12,100円デジタルデラックスエディション 12,100円 レーティング CERO D(17才以上対象) 判定 良作 ポイント ナンバリングで初めて明確にアクションRPG化『II』『VI』に近い陰惨で悲壮感のあるシナリオ過激な表現で濃厚に描かれるダークファンタジー ファイナルファンタジーシリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 これは――クリスタルの加護を断ち切るための物語。 概要 『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング第16作。 本作のプロデューサーは『XIV』の吉田直樹氏が、ディレクターも同じく『XIV』の髙井浩氏が担当している。 本作のバトルシステムには、過去にカプコンで『DMC5』等のアクションを手掛けた鈴木良太氏がコンバットディレクターとして携わっている。 また、『ベヨネッタ』や『VANQUISH』等のスタイリッシュなアクションの開発元として知られるプラチナゲームズのスタッフも数名参加している。 更にSony Interactive Entertainmentも技術支援を行っている他、広告費の一部負担等の協力をしている。 大々的なクロスメディア戦略が取られた『XV』とは対照的に、プロモーションはかなり控えめであった。 特徴 戦闘 前作『XV』や近作の『VIIR』でもRPG要素にアクション要素を組み合わせたシステムを採用していたが、本作ではよりアクション性の高くなったシステムとなり、本格的なアクションRPGとなっている。 戦闘時のアクションは大きく分けて剣による攻撃、魔法による射撃、召喚獣アビリティ、フィートの4つ。 基本的な戦闘のベースは剣による攻撃となる。剣戟の終わりに魔法攻撃を入力すると威力が上昇するというテクニックもある。 各種召喚獣はそれぞれ1つのフィートと4つ(*1)の召喚獣アビリティを備えており、ストーリー上で召喚獣の力を吸収し次々と使えるようになっていく。 フィートは敵との距離を一気に詰める、攻撃をガードできジャストガードで反撃ができる、専用のゲージを貯めることで強力な攻撃を放てるなど、各召喚獣に応じた特殊なアクションを発動できる。 原則的に発動には特に制限はなくいつでも使えるが、代わりに召喚獣固有の能力なので他の召喚獣にセットしたりはできない。 召喚獣アビリティは各召喚獣毎に紐付けられており、それぞれに個性的なアクションが存在する。フィートと異なり、こちらは一度使うとリキャストタイムが発生するので連発できない。リキャストタイムは各アビリティ毎に異なる。 各召喚獣は3体まで装備することができ、それぞれ2つまでアビリティをセットできる。そのため戦闘では、3つのフィートと6つのアビリティを使い分けながら進めていくことになる。 各召喚獣アビリティは、それぞれに紐付けられた召喚獣を装備しないとセットできないが、アビリティポイント(AP)を消費してマスター化すれば他の召喚獣と組み合せることが可能となる(*2)。 攻撃魔法は連射とチャージショットの2種。チャージショットをダウン中の敵に当てると敵を空中に打ち上げることができる。 攻撃魔法は設定した召喚獣の属性に応じて変わる。例えば炎の召喚獣フェニックスならファイア、氷の召喚獣シヴァならブリザド。 世界観の設定上では属性が存在するが、戦闘システムとしての属性は存在しないため、弱点や減衰を気にする必要が無い。 ちなみに、シヴァの力の入手はストーリーの終盤であるため、ブリザドも終盤でようやく使用できるようになるという、シリーズで少し異例な側面もある。 また、本作の回復はポーションなどの回復アイテムなどで行われる。主人公であるクライヴはシリーズ恒例の回復魔法であるケアルは使用できない。 デビルメイクライシリーズにおけるエネミーステップに相当する「ストンプ」というアビリティが存在し、異次元の空中コンボを決めることが可能。 トルガル クライヴの愛犬であり、戦闘におけるパートナー。ほぼ常時クライヴに帯同し、攻撃や回復による支援を行う。支援指示は十字キーで行われる。 通常攻撃フィニッシュ後の所定のタイミングでトルガルの攻撃を挟むとプレシジョン・コンボが発生。単なる追撃だけでなく、空中に浮かせた敵をトルガルが押さえつけてくれるなどコンボ構築にも効果がある。 プレシジョン・コンボは上級者向けのテクニックであり、初級者には敷居が高め。後述するアシスト用のアクセサリーも用意されている。 テイクダウン ボスや大型の雑魚敵などの一部の敵にはHPの下に「ウィルゲージ」があり、半分削るとその敵が一時的に怯み、削り切ることで一定時間その敵の動きを止めることができ、クライヴのウィル値や、使用するアビリティのウィル威力が高いほどウィルゲージを削りやすくなる。 テイクダウン中の敵は受けるダメージ量が1.05倍~1.5倍に増加する。こちらも、クライヴのウィル値や使用するアビリティの威力が高いほど、ダメージ倍率を上げやすくなる。 『VIIR』のバーストと近いシステムと言える。 ちなみに、軽量の雑魚敵にはウィルゲージが表示されずテイクダウンもしないが、ウィルは持っており、ウィルをゼロにすることで一定時間ダメージを受けた際に怯んだり吹き飛んだりする。 リミットブレイク ストーリーを進めると、クライヴのHPゲージの下にリミットブレイクゲージが表示されるようになる。 リミットブレイクゲージを貯めたあと、L3+R3ボタンを押すことで一定時間リミットブレイク状態となり、クライヴの攻撃が強化されたり、防御力が上昇したり、HPが徐々に回復するなど様々な恩恵が受けられる。 PRESS THE ATTACK 『クライシス コア ファイナルファンタジーVII リユニオン』に導入された「スキルパワーゲージ」と似たシステム。一部のボス戦中に敵が大技を発動しようとする際、敵のHPゲージが紫色になり、一定時間内にこのゲージを削りきらないと大技が発動し即死級のダメージを受けてしまう。ゲージを時間内に削り切れれば大技は不発となる(*3)。 マップ 前作の反省からか本作はオープンワールドは採用しておらず、ワールドマップのランドマークを選択してエリアマップに移動する形になっている。エリアマップはシナリオごとで行ける範囲が決められているほか、イベントによって行き来が制限されることもある。 ランドマーク経由のファストトラベルも可能なので、オープンワールドと従来のRPGの中間といえる。 最終的にはエリアマップ1つが国1つに相当する形になるため、マップそのものはかなり広い。また、シド及びクライヴの隠れ家も独立したマップとなっている。 マップ上には武器や防具の強化、生産で用いるための素材が落ちている。上空方向にある程度伸びるように光っているため、遠くからでも視認可能。 畑の案山子をよく見ると初期作品の黒魔導士風だったりと、様々な部分に歴代作品の小ネタが仕込まれている。 ストーリー、キャラクター ダークファンタジー的な世界観 世界観は『XII』等のイヴァリースシリーズや『XIV』のような中世ヨーロッパのような世界観となっている。 その一方で、過去作になかった特徴として本作はダークファンタジー色の強いテイストになっている。人種問題や、戦争、人の生死といった血なまぐさい事柄も生々しく描かれている。 そのためか本作では激しい流血描写が多くあり、レーティングはナンバリングシリーズでは初となるCERO D(17歳以上対象)となっている。 17歳以上対象とはいえ、人体の部位切断や斬首シーンなどむごい描写も存在している。 また人間だけではなく、シリーズのマスコットであるチョコボなどの動物もプレイヤーの手で容赦なく殺害される。人によってはこっちの方がつらいかもしれない。 他にも序盤で宿敵への復讐、敵対者とはいえ結果的に数多くの人を殺害する展開、各地のマザークリスタルの破壊、フーゴの暴走に関してクライヴにも非があるなど一概に勧善懲悪とは言えないストーリーとなっている。 官能表現について 性に関する描写も増えており、それについても過去作と違った毛色となっている。 登場人物のベッドシーンが描写されたりと、一部のシーンでは男女が全裸になっているシーンもある。もちろん大事なところはちゃんと見えないようになっているが。 「娼婦」や「娼館」といったワードも出てくる上にそれらがメインストーリーにも関わってくる。 一方で、胸元を露出する程度の女性キャラクターはいるが本作の女性キャラクターは基本的に露出度があるとは言えない恰好をしている。本作のヒロインであるジル・ワーリックや悪役のベネディクタ・ハーマンも同様。ジルが顕現するシヴァも本作では露出度が控えめになっている(*4)。 明確な同性愛者の描写までもが存在する。従来作でもいわゆるオネエのような存在はいたが、メインのキャラクターでこのような描写がされるのは初。 ストーリーやロア(*5)を補強する機能 ACTIVE TIME LORE 今進めているストーリーに出てくる人物や重要な単語を確認できるシステムがある。プレイヤーが操作できる場面だけではなく、ムービー中にも呼び出して確認することができる。 語り部「ハルポクラテス」 シドの拠点にいるNPCハルポクラテスからはACTIVE TIME LOREに出てくる単語の他、ヴァリスゼアにまつわる様々なことを確認できる。メインストーリーで重要になる言葉以外にも、知らなくても問題が無い知識を仕入れることができる。 軍事学者「ヴィヴィアン」 同じくクライヴの拠点にいるNPCヴィヴィアンからは人物の相関図や世界情勢を確認することができる。いずれも時系列に沿って確認ができる。なお、彼女は壮年期からの登場となる。 やりこみ要素 リスキーモブ いわゆるユニークモンスターで、各フィールドに配置された強敵。クライヴの拠点で生息エリアのヒントが確認できるので、ヒントを元に現地に向かい討伐する。 ラスボスより強いモンスターこそ存在しないが、歯ごたえのあるバトルを楽しむことができる。 一部はサブクエストの討伐対象となっているが、それらも含めて討伐は任意となる。 アーケードモード クリア済みのステージに再挑戦し、ハイスコアを目指すモード。 スコアは技ごとに設定されたバトルテクニックに応じて加算されるため、技のチョイスも重要となる。 レベルや装備には制限がかかるため、純粋なプレイヤースキルが試されるモードとなっている。 クロノス石塔群 メインストーリーをある程度進めると、フィールド上に点在する石塔を調べることでプレイできるコンテンツ。 指定された召喚獣1種類のみで敵と戦うコンテンツであり、制限時間内に4ステージ攻略するとクリア。各ステージごとに使用できる召喚獣アビリティは固定されており、また各ステージごと(ステージ4を除く)に用意されているタイムボーナスを達成することで制限時間を増やすことができる。 各石塔の試練をクリアすると隠れ家にあるアレテ・ストーンからHARDモードをプレイできる。こちらはクリア時の残り時間をいかに残せるかを競う。また、クライヴのレベルや装備が固定されており、難易度が高くなっている。 ファイナルファンタジーチャレンジ クリア後は1周目でのレベルや装備を引き継いで始める「つよくてニューゲーム」の際には、高難易度モードであるファイナルファンタジーチャレンジを選択可能。 敵が強力になっただけでなく、配置にも変更がなされており、序盤からウィルゲージ持ちの敵が頻繁に出現するようになっている。事実上2周目に相当する難易度となっている。 このモードで入手できる限定素材を用いて、既存の装備の強化版を作ったり、名実ともに最強武器として明言されたシリーズ伝統の武器「アルテマウェポン」を作成できるようになるといった、装備品関連でもメリットのあるモードとなっている。 なお、ファイナルファンタジーチャレンジにおいてアーケードモードやクロノス石塔群(HARD)で記録したスコアはPlayStation Networkを通じてリーダーボードに登録され、世界ランキングを見ることができる。 アルティマニアックチャレンジ ファイナルファンタジーチャレンジをプレイ中は先述のアーケードモード限定難易度として「アルティマニアックチャレンジ」を選べるようになる。 本来、アーケードモードはスコアを競うモードのはずだが、並大抵のプレイヤースキルではクリアすら困難なほど難易度が高い。 敵の攻撃力が非常に高く、雑魚の攻撃でさえ数発食らうとゲームオーバーになる。さらに攻撃頻度も非常に高いため、雑魚の大群に取り囲まれると一斉に攻撃を食らって瞬殺されてしまう。 しかし、上空への攻撃手段を持つ敵が少ないため空中コンボ中は比較的安全であり、「コンボ死にゲー」とも言うべき究極の難度になっている。 回復アイテムが非常に少ない上、リトライ不能でゲームオーバー時はステージ最初からやり直しとなる。 評価点 完成度の高いバトルシステム まずバトルでは豊富なカスタマイズが可能。各アビリティ、フィートを組み合わせることで様々な戦術が取れるバトルシステムは特に好評。 アビリティが多く揃う頃には、ウィルゲージを素早く削れるよう特化、テイクダウン中に大ダメージを狙う、空中コンボ主体で見栄え良く戦う、敵の動きを止めて一方的にハメ倒すなど、様々な戦術が取れるようになる。 一見使いにくいアビリティも、他のアビリティと組み合せる事で思いがけない実用性を発揮することも。 次にアクションの気持ちよさ。初心者の内は単発で強力な威力を持つアビリティを出すだけでも充分に爽快なバトル体験ができる。 フィートは基本的に敵の攻撃を凌ぐ事で発動したり、出力が上がっていく物が多い。敵の攻撃は凌いで反撃するという、アクションゲームの醍醐味にしっかり沿ったシステムとなっている。 ブレイク後は動けない相手をとにかく殴り続けるアビリティが重要になるため、メリハリも効いている。 上級者になれば、コンボを繋げる快感を追い求めていくことができる。動画サイトや各SNSでも様々なコンボの研究がされている。 アビリティ修得メニューのユーザビリティも極めて良好、詳細な解説文や動画による映像説明など、アビリティの理解から実践を簡単かつスムーズにこなせる。 一度修得したアビリティをいつでもリセットしてAPは丸ごと返ってくるため、好きな様にセッティングしなおすことが出来るし、新アビリティを入手してもすぐに試し打ち出来る。 ただ、バトルに重要な部分であるリキャストタイムが発売当初は伏せられていた事を惜しむ声はある。 『FF』シリーズでは特徴の1つとなっている召喚獣だが本作ではクライヴが自身に召喚獣の力をまとって戦うという斬新なものとなっている。もちろん習得さえすれば召喚獣の従来の『FF』シリーズの技(*6)をクライヴ自身が使用できる。 戦闘UIも良好。複数の敵と戦闘する際には自分の背後に隠れてしまう画面外の敵がいるが、環状に展開された表示によって敵の数と方角が分かるようになっている。 さらに、画面外の敵が攻撃をしてきた際には敵アイコンが変化。画面外からの攻撃をプレイヤーに知らせてくれる。 画面外の敵からの攻撃はプレイヤーのイライラ要素の1つであるのだが、プレイヤーが予知して対応できるような仕組みになっている。 基本的にバトルの難易度は高めだが、アクションゲームが苦手なプレイヤーのために、救済措置用の装備品が使用できる。 上記のトルガルの操作を自動で行う「オートトルガル」など、苦手が想定されそうな操作には全て対応できるよう用意されている。救済措置アイテムという扱いではない(*7)ので比較的遅い時期での有償の買い物になるが、魔法のチャージも自動化するアクセサリが用意されている。 特に被弾する直前にQTEのように回避ボタンを入力する猶予が生まれる「オートスロー」を装備するだけでも、難易度を下げつつ爽快感のあるバトルを楽しむことができるため、アクションが苦手な人でもおすすめ。 クリアには一切不要だが技術介入要素は多く、プレイヤースキルの差が顕著に現れる。もともとド派手な演出の攻撃が多いこともあってか、アクション上級者の魅せるスーパープレイは芸術を通り越して異次元の領域に達しており、見る人を圧倒する。 敵を踏みつけてジャンプする「ストンプ」により、ひたすら空中に浮かんだまま空中コンボを決めたり、攻撃動作の硬直をキャンセルして猛烈な攻撃速度で飛び回るなど、異次元の動きが可能。 リミットブレイクの発動モーションをストンプでキャンセルすることで、ゲージをほとんど消費せずにリミットブレイクを連発できるようになる「LBストンプ」と呼ばれるテクニックが存在する。 リミットブレイク発動時にカメラがクライヴに寄る演出も途中でキャンセルされるためカメラワークが激しくなり、さらにリミットブレイク中の強化攻撃の連発による激しい炎の演出と相まって、異次元と思わせる動きができあがる。 ジャスト回避により、ド派手な演出の強力なカウンター技を繰り出すことが可能。さらにカウンター技の種類も豊富。空キャンセルやストンプを使えば攻撃動作をキャンセルしてジャスト回避することも可能。 上級者は常に手を休めず攻撃し続け、敵の攻撃に対して流れるように攻守を切り替えてジャスト回避し、ド派手なカウンター技を決めていく。 ジャスト回避で超強力なカウンター攻撃を出せるのが本作のアクションの大きな特長の1つ。中には長時間敵を凍結させて動けなくしてしまうなどバランスブレイカーに片足突っ込んでいるようなカウンター技まで存在する。それだけジャスト回避のメリットが大きいということであり、チャレンジしがいのある要素となっている。 ちなみに、アーケードモードでは使用できないが、先述の「オートスロー」のアクセサリを装備すればアクションが苦手でも上級者さながらにジャスト回避できるようになっており、その事もアクションが高く評価される理由の1つになっている。 通常攻撃にも派手な演出で威力も高い「溜め攻撃」がある。他の攻撃動作中やヒットストップ中に効率よく溜めを完成させることで、いつ溜めたのかと思わせるほど溜め攻撃を連発することが可能。 召喚獣アビリティのクールダウン中で通常攻撃しか使えなくとも、上級者にかかれば通常攻撃だけで派手な高火力コンボを繰り出してしまう。 クールダウンが必要な召喚獣アビリティを使わずに出せる基本攻撃は攻撃・魔法・フィートの3つ。しかし攻撃のバリエーションは非常に多い。まずフィートが召喚獣ごとに突進技・引き寄せ技・回避兼カウンター技など様々な攻撃方法に切り替えられる。 次に攻撃・魔法は上述の溜め攻撃・溜め魔法の他、特定のタイミングで魔法を入力する事で出せるマジックバーストや、攻撃とジャンプの同時押しで出せる突進技・兜割り技がある。 さらにリミットブレイク中は攻撃に突進性能が付与されるなど性能が強化され、見た目も非常に派手になる。そしてトルガルがいる場合はトルガルに突進・打ち上げ・叩き付け攻撃を指示でき、クライヴとトルガルの2体同時操作が可能。 ここまでバリエーション豊かな基本攻撃があれば、手練のコンボゲーマー達が基本攻撃だけで強力なコンボを繰り出すのも道理である。 キャラクター・ストーリー 吉田プロデューサーが「ジェットコースターのような展開を意識した」と語る通り、ストーリーは重厚かつ息もつかせぬ展開が連続する。 主要人物は、敵味方問わず総じて悲惨な経験をしており、世界に翻弄されながらもあがく姿を評価されることが多い。また重厚な世界観の中でも、人の内面にフィーチャーしたシーンが印象的に機能している。 例えば主人公・クライヴの宿敵との対峙や、兄弟や愛犬、ヒロインとの絆などは深く情緒的に描かれていおり、特に弟に関しては主人公の生きる理由や目的に大きくかかわっており、再会したときの感動はひとしおとなっている。 重い展開が続きながらも、それでも上述した明るい面やコミカルな面も存在しており、救いを求めてシナリオを進めることができるようになっている。 そんな明るいシーンを提供してくれるのは、ガブやグツ、カローン、ヴィヴィアンといった隠れ家の同胞たち。いずれも過去に傷を抱えていながらも前向きな性格で、彼らとのふれあいは「家に帰ってきた」といった暖かな気持ちにさせてくれること請け合い。 また、中盤以降に登場するバイロン・ロズフィールドも、コミカルながらも優しく包容力に溢れた好人物で、情熱的で真っ直ぐな物言いがプレイヤーや主要人物たちの心を掴んだ。特に甥であるクライヴ、ジョシュアからは、実の父親のように慕われている。 サブクエストを通して彼らとの交流が描かれ、心情や背景も掘り下げられるため、進めるほどに彼らの魅力は増していくだろう。 主人公であるクライヴも、寡黙ではあるが対話を重んじる好青年として描かれており、好感を持ちやすいキャラクターとなっている。敵対者に対しても相手によっては理解しようとするなど、懐の深さを感じるシーンも数多い。 ベアラーと人との確執、和解もきちんと描かれている。 本作では上述の通りベアラーの差別問題を扱っており、民族同士のみならず、個人個人の関係性に主眼が置かれている。差別について考えを改める者もそうでない者も描かれる。 加害者を殺害するような展開だけではなく、主要人物・ルボルのイベントではベアラーへの差別を乗り越えて街が一致団結する様子が描かれている。 ベアラーに対して明確な遺恨を持つ者だけでなく、単なる嫌悪感だったり、社会がそうなっているから、というだけで差別を行う者もいる。その軽薄さというのも、ある意味リアルといえばリアルである。 ストーリーや設定をわかりやすくする機能の充実 上述のACTIVE TIME LOREではムービー中に気になった事柄を簡単に一時停止して調べられる。そのため人物や場面で混乱しないような作りとなっている。 ハルポクラテスの解説についてもキャラやストーリーの要点が簡潔にまとまっており、疑問は解消出来るようになっている。 また、追加情報として、ゲーム中で多く語られない世界設定などの資料を参照することもでき、作品への没入感を高めることに一役買っている。 ヴィヴィアンの講義では、時系列順で世界情勢や人物関係を整理してくれているので、マクロな視点でストーリーを捉えることができる。 世界観を彩る美術面 映画的で繊細な映像表現。 戦争シーンや召喚獣による蹂躙や戦闘に関するシーンのような大迫力の描写は健在。その一方で、各キャラクターの感情も細かく描写できている。 中でも召喚獣バトルの演出は一段と迫力があり、操作できないムービーシーンこそ多いものの、それを補って余りある熱い戦いが繰り広げられる。 心象描写の描き方で特に特徴的なのは、「表情だけでの感情表現」である。単なる喜怒哀楽にもいくつもの表情が設定されており、テキストで語らずともプレイヤーに細かい情緒を伝えられている。 肌や布の質感も美麗。今作はフォトモードが存在するが、衣装の縫い目をズームして見ても全く違和感を感じないレベルである。 開発陣もインタビューで「超大作洋画を、その手でプレイしているような感覚」と語っている。 音楽も好評。 『XIV』の祖堅氏がメインで担当したBGMは重厚で評価が高い。 人気曲としては中盤の重要局面で流れる主人公・クライヴのテーマ曲「Find the Flame」や、主人公の弟・ジョシュアのテーマ曲「Away」に、祖堅氏らしいロック調のタイタン戦BGM「Do or Die」などが挙げられる。 召喚獣戦などの一部の戦闘ではBGMと戦闘の進捗が同期されるシステムが組み込まれている。そのシステムにより戦闘のクライマックスでBGMの盛り上がる部分が流れるようになっている。 シリーズ恒例の「プレリュード」が様々な形にアレンジされていたり、曲の一部に使われていたりと、シリーズファンへのサービスも。 テーマソングは米津玄師氏が担当。氏の手掛けた「月を見ていた」は旧作のテーマソングに決して劣らない名曲であり、ファンから歓迎された。 PS5への徹底的な最適化 PCI Express4.0×4レーンで接続されており、さらに圧縮されたゲームデータを高速解凍する機構をAPUに内蔵したPS5に徹底的に最適化して開発、リリースした故か、ロード時間がほとんどない。 なお、PS5最適化の件については吉田Pは「最適化無しにPCに移植すると、30万円以上する性能を有するPCでないと快適に動作しない」と答えている。 また、PS5との最適化による恩恵は美麗なグラフィックや快適なロード時間だけに留まらず、アダプティブトリガーやハプティックフィードバックなどのPS5独自の機能も本作では存分に活かされている。 これによって、重さや抵抗感、空気感の揺らぎといった従来のハードでは表現する事の難しかった感覚的な要素も大きく強化されており、本作の臨場感の増大に大きく寄与していると言えるだろう。 ただし隠れ家など人が集まる場所や非戦闘時のフィールド移動中はフレームレートが低下しカクついてしまうことがよくある。PS5でリリースされるゲームは60fps固定であることが多く、それに慣れているとカクつくたび気になってしまう。 賛否両論点 キャラクター・ストーリー (賛否両論点) 本作はキャラクター間の成長や葛藤などのいわゆるヒューマンドラマは高い評価を得ているが、物語全体を通しての大筋は賛否が分かれる。 特にシナリオ全体の評価は、前半は極めて重厚な世界観、人間ドラマが丁寧に描かれているのに対し、ラスボスの設定や動機が既視感のある、悪く言えば「陳腐」と言える程に使い古された展開であったため、人によって大きく賛否の分かれる要因ともなっている。 差別、歪んだ社会構造、イデオロギーの対立など、現実の社会問題と通じるようなダークで目を背けたくなる描写がメインとなっているが、マクロな視点での解決策は打ち出されない。 そのため、これらの問題を扱ったシナリオはメイン・サブクエスト問わず数多く存在するのだが、その多くがやや消化不良な形で終わる。 例えば前述したベアラーとの和解も、厳密に言えば「そのベアラー個人が信頼を勝ち取っての和解」であり、「ベアラーそのものの差別」を乗り越えた訳では無い。 最後まで詳細は不明ながら、ラストシーンでは未来の時代の人達と思わしき日常が描かれ、一応問題自体は解決したとも考えられるが、その過程が明かされていない。 その未来にしても、暗示程度の描写のみ、暗示からの推測も「根本が無くなったので問題自体が消えた」という形なので「問題を解決した」とは言い難いものである。 そもそも社会問題は現実でも明確な答えなど存在しない物である。ただこれは「あくまでゲーム」であるため、幸せな結末の方が良いと考える人も多く、今後も議論は尽きないだろう。 発売前のイメージとの齟齬 発売前のプロモーションではクライヴと謎の召喚獣を巡る「復讐の物語」というイメージが強調されていた。しかし、いざ発売してみると「復讐の物語」は早々に幕を閉じ、世界を救済する物語へと移行する。良いか悪いかは別にして、ドロドロの復讐劇を期待していたユーザーには肩すかしとなった。 ただ、「復讐の物語」自体はきちんとやっており復讐の決着自体はむしろ熱い展開となっている。世界を救済する物語が描かれること自体も発売前に発表されていたことである。 結論を言えばいままでのダークファンタジーで戦記もののイメージから主人公側とラスボス側の戦いとなった少年漫画のイメージになったことへの好き嫌いの話でしかない。 クライヴの母・アナベラの結末 本作のベアラー差別主義者の極地とも言える人物。ロザリア王国を理不尽な理由で裏切りザンブレク公国に付いた後は、クライヴやジルといったドミナントやベアラーを身勝手な動機で蹂躙した。『FF』ファンからは本作どころか『FF』シリーズ屈指の極悪人と言われることもある。 そして彼女の結末は、クライヴ達に自身の息子(*8)を殺害されて発狂し自殺するというもの。 惨めな最期とも言えるが、クライヴ達(プレイヤー)の手で断罪するわけではないため、この結末については生温いと感じたり充分なカタルシスを得られないプレイヤーもいるだろう。 とはいえ、悪人といえど肉親を殺害させるというのも酷な展開ではあるため、そのバランス感が取れた結末として評価することもできよう。 良く言えばプレイヤーの想像に委ねる、悪い言えば描写不足の部分が多い 上記の解決策が打ち出されない事、下記のクライヴの物語の結末、描写不足のストーリーにも通じる事だが本作のストーリーにおいても詳しい事は描写されない部分も多く良く言えばプレイヤーの想像に委ねる作りで考察の余地があり悪く言えばただ描写不足なだけの作りとなっている。 たとえば少年期から青年期の13年の間にクライヴに何があったのかについては奴隷のベアラー傭兵になっていた事やベアラー傭兵のルールなどは明かされているが具体的な描写は描かれていない。 本作におけるクライヴの物語の結末 本作の最終盤においてのクライヴの顛末については賛否が分かれている。その顛末もプレイヤーによっては必然性は感じられないものとなっている。しかもその顛末の描き方も中途半端な所で終わり、その後が描かれない。 よく言えば考察の余地が残る結末。悪く言えば投げっぱなしの結末。 上記の未来の時代の人達と思わしき日常を描いたラストシーンもプレイヤーによってはクライヴの物語を放り投げるために描かれたようにも見えてしまう。 バトルの演出関連 とある召喚獣戦が長過ぎる。 本作においてあるマザークリスタルの近くで、あるドミナントとの決戦が描かれるのだがそのドミナントが変化する召喚獣との戦いがとにかく長い。 この召喚獣戦はまず最初に通常状態の召喚獣と戦う事になる。次にこの召喚獣は極めて巨大な姿と化し主人公はまず遠く離れたこの召喚獣の元へと近づくこととなる。 この召喚獣に近づいたら次にこの召喚獣に攻撃を繰り返す事になる。そして最後に通常状態に戻ったこの召喚獣と決戦を繰り広げることになる。 ただ、ここまで長かったからこそこのドミナントがより印象に残ったともいえる。また、『XIV』ではこの召喚獣との戦いが屈指の人気を誇っており、本作のそれもある程度その流れをくむものでもあったため、そちらのユーザーからはおおむね好評。 この次の召喚獣バトルもやや長めだが、こちらはあるイベントと並行して行われるため、それを考えると納得できるという意見が多くみられる。 特定のボスをノーダメージで倒すと隠しアイテムがもらえるというやり込み要素があるのだが、これらの召喚獣も対象になっており、戦闘時間の長さからひときわ苦労させられる(*9)。 QTEの回数が従来より多い 本作のQTEでは色のついた画面エフェクトともに特定のボタンが表示され、表示されたボタンを押すよう要求される。 大きな与/被ダメージに関わるシーンやボスのトドメのシーンにQTEが登場し、逆転につながる高揚感や、臨場感や緊張感の演出に役立っているという面があるが、重要ボス戦では何度も表示される(*10)ため、くどいと感じる人もいる。 通常プレイの際は、失敗しても特別大きなペナルティがあるわけでもなく、入力自体も全てワンボタンで完結するため、タイミングさえ合えばどのボタンでもよかった『XV』ほどではないにせよ、難易度は低め。 一方、ファイナルファンタジーチャレンジでは色のついた画面エフェクトのみ表示されるようになるため、どのボタンを押すのかエフェクトや状況から判断する必要があるなど、ゲーム性が若干変化している。 画面にかかるエフェクトが青 → 攻撃ボタン、赤 → 回避ボタン、黄色 → 攻撃ボタン連打で統一されているので、この対応を頭に叩き込んでおけばファイナルファンタジーチャレンジでも機械的に対処できる。ただし、派手な演出によりエフェクトの色が分かり辛くなっているQTEも若干あるので注意が必要。 システム関連 本作のシステムは、基本的に「クリアさせること」に特化した配慮が為されている。 クエスト進行はメイン・サブに関わらず常にマップに表示され、フィールド画面でも目的地や目標物にマーカーが示されており、迷うような状況は起こりえない(*11)。 ゲームに不慣れな人でも迷ったり詰んだりしない反面、慣れてくるとただマーカーに従って進めるだけの単調な作業になる側面も。マップもオープンワールドではなくエリア制なのもあり、次はどこへ行こうかと思案しながら冒険するような感覚は薄い。 探索要素もほぼ無く、意識的に探す必要がある物は一部のアクセサリの入った宝箱や石塔、モブハントのターゲットと言ったやり込み要素関連のみである。 これらはマーカーなどでの誘導は無いが、宝箱や石塔はマップに表示されていない未踏領域を順に回っていけば自然と見つかるし、モブハントに関してはほとんどのモブは掲示板に出現場所も記載されている。 バトル面においても「クリアさせること」に特化したシステムになっている。 クライヴのステータスも極めて簡素で、武器は「攻撃力」と「ウィルの削りやすさ」のみで、防具は「防御力」と「HP上昇値」のみ。属性や状態異常の概念さえ無く、数値の高い装備にひたすら更新していくだけで問題無い。 前述したオート○○系のアクセサリを装備する事でバトルさえ1ボタンで可能になるため、比喩無く「誰でもクリア出来るゲーム」であると言える。 アクションゲームが苦手な人でも楽しめるほか、煩わしい探索や戦闘準備などを気にする必要が無い一方、他のシリーズ作品ほどの自由度に乏しく、思考を挟む余地が無く全体的に同じ作業の繰り返しになりがちな点や、強敵を倒すための装備構成の工夫などができないため、賛否が分かれている。 また、戦闘以外においては不自由を強いる要素も見受けられる。詳しくは後述。 問題点 描写不足なストーリー PVでも登場し、本作のテーマともなる「人が人として生きられる世界」が、テーマでありながら具体性を欠いている。 ベアラーへの差別がなくなる世界とも考えられるが、そのための手段(*12)がどうベアラー差別解消に繋がるのか不明瞭。 さらに、ベアラーと無関係の場面でも語られるため結局どういう世界なのかは不明なままである。最終的には達成されたと思われる描写もあるが、その結果がクライヴが想定していたものであるかは結局明かされない。 重厚で複雑な世界観・設定に反して、釣り合わない描写の数々。 マザークリスタルのせいで黒の一帯が広がっているという情報から、クライヴは実際にマザークリスタルを破壊することになるのだが、破壊を続けても黒の一帯の拡大は収まるどころか加速していると説明される。 マザークリスタルの破壊を原因としてトラブルや大きな災害が降りかかっても、劇中でクライヴ一行が破壊の是非に特に言及することも無いため、プレイヤーは全てが終わるまでは「本当に正しいことをしているのか?」という気持ちにさせられがち。 クリスタルは資源・権威・信仰などのヴァリスゼアにおける社会基盤そのものであり、当初は破壊を恐れ、躊躇する。しかし、破壊してもクリスタル保有国は犯人追跡やクリスタル防衛のような具体的な対策を打ち出す描写がない。 社会全体で見ても、クリスタル破壊の「大罪人」とは呼ばれるのだが、実のところ呼ばれるだけで犯人として追われるどころか責められることさえなくほぼ全肯定しかされない(*13)。 破壊活動開始時点でマザークリスタルが元凶であるという根拠はクライヴ目線ではシドの「マザークリスタルが原因だと突き止めた」という発言しかなく、具体的な論証は示されないが、クライヴとジルはすんなりと信じてしまう。絵的にそうだと示す描写も無いため、根拠のない風説に憑りつかれてるようにも見えてしまう。 前述したように、単純な勧善懲悪にならない重い設定・複雑な社会問題を扱いながら、主人公周りはひたすら都合良く進むため、設定とシナリオが釣り合わない印象を受ける。 そもそもベアラーが根本的になぜ差別を受けるようになったか、という点もストーリーを進めるだけでは分からない。あるタイミングでのサブイベントをこなす必要がある。 判明する真実についても、ベアラーの地位を下げるためにもかかわらず、その事実をなぜ隠匿していたか、やや疑問の残る内容となっている。 ウォールード王国の描写が薄すぎる。シドやベネディクタが所属していることや、オーディンのドミナントが治めていることのみが語られ、ストーリー終盤まで「得体の知れない国」という描かれ方をするのだが、他国ほど深掘りされたシナリオがあるわけではない。 実際にウォールード王国に訪れた時にはシドとベネディクタは既におらず、住民もほとんど存在しない。ドミナントとの決着も中盤でついてしまうため、肩透かしのまま終わってしまう。 また、灰の大陸のロケーションは首都ストーンヒルとそこまでの道中しか存在せず、探索面でもややボリューム不足。 青年期 → 壮年期の時間推移の必要性が薄い。 本作の時代は主に青年期から13年前の過去編を描く少年期、本編の始まりである青年期、青年期から5年後の壮年期に分かれている。だが、青年期から壮年期にかけては5年経過させる必要性が感じづらく、展開もやや唐突。 このあいだに何があったのかは詳しく語られず、変わった点と言えば、リーダーを務めるようになったクライヴの主導で新しい隠れ家を築いたうえで、仲間が増えていることくらい。 クライヴが青年期に目覚めたある能力については5年を経ても自由に使うことができていない。さらに後にその能力は自由に使うことができるようになるため、なおさらその5年間は何だったのかと思わされてしまう。 主要人物も大人が老けるだけで、子供が成長して登場、といった変化は無い。 しいて言うなら、アジトの再建や人々がクライヴの顔(ベアラーであること)を忘れるのにこれぐらいかかるだろう、という計算なのかもしれない、という程度。 システム関連 クエストに関する問題。 序盤から寄り道要素の1つとしてクエストが用意されているのだが、そのほとんどが「イベント用アイテムを持ってくる」「特定の場所に行って敵を倒してくる」の2パターンとバリエーションが少なく、報酬も渋いのが多い。 NPCを多く介するクエストの場合、細かな移動がやたら多い。特に拠点のクエストは大半がこれのため、決して狭くないマップ内を何度も往復するハメになる。 終盤になってくると、世界観に関わるストーリー要素の濃いクエストも受注できるようになり、多少はやりごたえが出てくる。が、それでもやることそのものが変わるわけではない。 また、過去作にあったミニゲームのようなものもないため、プレイヤーによってはマンネリを感じてしまう。 中途半端なダッシュの仕様 任意では発動できない上、しばらく走ることで自動的にダッシュが発動という仕様となっている。 この仕様自体は『デビルメイクライ』シリーズと同様なのだが、本作のマップは同シリーズよりも広大であるため、不便になってしまっている。 ダッシュ中に敵とエンカウントすると自動でダッシュは解除されてしまうので、敵から逃げる用途で使うこともできない。さらに街や隠れ家のような場所でも使うことができない。 前述のおつかい系クエストで、街や隠れ家でNPCの話を聞いて回る場面も多いため、街内でもダッシュできる仕様がよかった、自動ダッシュではなくいつでも走れる任意ダッシュが欲しかったとの声は多い。 扉を開ける度に要求されるR2長押し 重そうな大きな扉を開けたりする際にR2の長押しを要求される場面が多い。PS5のアダプティブトリガーやハプティックフィードバックを利用し、臨場感や没入感を出すための演出として用意されている操作だと思われるが、長押しを要求される頻度が高く面倒臭い。 キーコンフィグが無い プリセットは複数用意されているがカスタムは無く、プレイヤーによっては自分好みの操作で遊ぶことができない。 アクションゲーム寄りになった今作では自分にあった操作方法の有無が戦闘の難易度にも影響してくる。 その他の問題点 画面の表示 発売直前の配信で開発陣が公言している通り、より美麗な映像表現ができる「HDR」に最適化してゲームが作られている。 しかし、HDR非対応ディスプレイ(*14)でプレイすると、ゲーム内でかなりの割合を占める陽の当たらないフィールドやダンジョンが暗く感じやすい。 幸いにもゲームプレイに支障をきたすほど暗い場面は少ないが、本作は視認性が重要なアクションRPGであるため、人によっては気になる事も。(*15)(参考画像) 発売直前の配信では、非対応ディスプレイを使用している場合、ディスプレイ側の明るさの調整や、ゲームモード(*16)への切り替えを推奨していた。特に後者は液晶ディスプレイの表示遅延も解消されるため、気になるようなら調整してみよう。ちなみに後のアップデートにより、現在はゲーム内オプションの明るさ設定がデフォルトが中間の5だったのが最大値に変更になっている。 総評 収集や探索の自由度、車での旅や釣り等の寄り道要素に比重が置かれていた前作とは対照的に、今作はアクションゲームとしての面白さを重視したゲーム性が追求されている。 ストーリーについてはやや一長一短な面があり、ストーリー面で賛否両論が起こった前作と比べれば大きく評価を上げたものの、本作単体で見た場合の評価としては惜しい・一歩足りないと言ったところ。 一方で、本作最大のセールスポイントの1つであったアクション面に関しては高い完成度でまとまっており、文句無しに良好な出来。映像や音楽による演出も確実な進化を感じられる。 ストーリー補完手段や細かいUI、アシスト機能などユーザーフレンドリーな要素も多く、誰でもバトルやストーリーを円滑に楽しめるような配慮がなされている。 総合的に見れば、硬派なアクションとドラマチックな展開を基調としたストレートな作品として、完成度の高い一作と言える。 余談 「The Game Awards 2023 Best Score and Music」を受賞した。 『FF』シリーズナンバリング最新作である本作だが、開発段階で一度タイトルからナンバリングを外すことが検討されていた(参照)。 本来人気シリーズのナンバリング最新作はファンだけでなくシリーズ未プレイのユーザーからも注目を集めるのだが、吉田氏によれば『FF』の場合はナンバリングの数字が大きい故に「シリーズを最初から遊ばないと物語が理解できないのではないか?」と考えるユーザーが一定数存在するとのこと。 こうした未プレイユーザーへの配慮からナンバリング廃止も検討されたが、最終的には「他の派生作品とタイトルでの差別化」「ナンバリングに拘りを持つシリーズファンへの配慮」と言った理由で『XVI』を冠することになったとしている。 『FF』シリーズの生みの親である坂口博信氏は、自身の「X(旧Twitter)」で本作を「最後まで。究極の幻想『FINAL FANTASY』でした。」と述べており(*17)、後に開催された『XIV』ロンドンフェスのステージに登壇した際にも、本作には『FF』らしさがあると賞賛している。 発売から3ヶ月ほど経過した9月3日にPC版のリリースと有料DLC2種の発売が告知された。 初報のトレーラーではPC版も発売されることになっていたが、その後にPC版の表記が削除されたことで展開が不透明な状態になっていた、という経緯があった(参考1)。 なお、上記で述べている通り、PC版に関しては発売前のインタビューで吉田直樹プロデューサーが「最適化せずに移植した場合、30万円ぐらいするゲーミングPCクラスの性能でないと快適な動作が見込めない」と述べている。 同時に「PCというプラットフォームに最適化し、多くの人に遊んで貰うためには非常に多くもの工数を踏む必要があり、(PS5との時限付き独占販売契約の期間である)半年間では到底仕上げられるものではない」と発言しているため、PC版の発売に時間がかかるのは前々から確実視されていた。 12月8日に行われたThe Game Awardsにて、DLC第一弾『Echoes of the Fallen《空の残響》』の配信開始が発表。また、第二弾『The Rising Tide《海の慟哭》』の配信が2024年春であるとも発表された。 6月に海外でのインタビュー記事で「現時点でDLCの計画はない」という趣旨の発言があったため、それを素直に受け取ればその直後すぐにDLC開発がスタートして半年で形になったということになる。 しかし、DLC発売後のインタビューで、「発売前から少しずつ準備は進めていました」という発言がされており、実際は開発の中盤ごろから検討はされていたようである(参考2)。 2024年4月18日に第二弾『The Rising Tide《海の慟哭》』の配信が開始。本作の最重要要素の1つである「召喚獣」から除外される扱いを受けた水の召喚獣「リヴァイアサン」について深い掘り下げが成されるほか、エンドコンテンツとして「カイロスゲート」が実装され、『XVI』のアクションバトルを十二分に楽しめる場が用意されている。 ストーリーにドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』との類似点が多いという指摘が見られている。 実際、本作における暴力表現や性描写、同性愛のシーンは『ゲーム・オブ・スローンズ』でも見られるものである。 2023年7月23日放送回『情熱大陸』(MBSテレビ/TBSテレビ)で、本作の吉田直樹プロデューサーが特集され、『XIV』及び本作の開発背景が公開された。 2023年10月21日にロンドンで行われた「ファイナルファンタジーXIVファンフェス」で、本作と『XIV』のコラボレーションが発表された。 クライヴと、『XIV』の主人公である光の戦士の出会いが描かれるほか、トルガルをマウントとして利用できるとのこと。
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ファンタジー 世界の終わり BASIC Level 3 BPM 180 Notes 255 1 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 2 口口③口 |--①-| 口②口口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 3 口③口口 |--①-| 口口②口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 4 ①口②③ |--①-| 口口口口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |③---| 5 口③③口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口②① |----| 口口口口 |③---| 6 口口③口 |--①-| 口②口口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 7 口③口口 |--①-| 口口②口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 8 口③③口 |--①-| 口口②口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 9 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 10 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 口②③④ |--③-| 口①口口 |--④-| 11 口口③口 |--①-| 口口②口 |----| 口口口口 |--②-| 口口口① |--③-| 12 口口口① |----| ③②口口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口口口 |--③-| 13 ①口口口 |--①-| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 14 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 口②③④ |--③-| 口①口口 |--④-| 15 口口③口 |--①-| 口口②口 |----| 口口口口 |--②-| 口口口① |--③-| 16 口口口① |----| ③②口口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口口口 |--③-| 17 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 18 口口口口 |----| ③口口口 |①---| ②口口口 |②---| ①口口口 |③---| 19 口口口口 |①---| 口①④口 |--②-| 口口③口 |--③-| 口口②口 |--④-| 20 口口口口 |--①-| 口③口口 |----| ②口口口 |②---| 口①口口 |③---| 21 口口①口 |①---| 口口口② |②---| 口口口③ |----| 口口口口 |③---| 22 口口口口 |----| 口口口口 |①---| ③②口口 |②---| 口①口口 |③---| 23 口②口口 |①---| ①口③口 |②---| 口口口口 |--③-| 口口口口 |----| 24 口口口口 |--①-| 口口口① |----| 口口②口 |②---| 口口③口 |③---| 25 口口口口 |①---| 口③口口 |--②-| ②口口口 |----| 口①口口 |③---| 26 口①口口 |--①-| 口口口② |----| 口口口口 |--②-| 口口口口 |----| 27 口口口口 |①---| 口口口口 |--②-| 口①口口 |----| 口③口② |③---| 28 口口口口 |①---| 口②③口 |②---| ①口④口 |③---| 口口口口 |④---| 29 口口口口 |①---| 口②③口 |--②-| 口口口口 |----| 口①口口 |③---| 30 口口口口 |----| 口口口口 |①---| ①口口口 |②---| 口②③口 |③---| 31 ①口口口 |①--②| 口③口口 |--③-| 口口②口 |-④--| 口口口④ |----| 32 口口口口 |--①-| 口口②口 |----| 口③口① |②---| 口口口口 |③---| 33 口口口口 |①---| ①②③口 |--②-| 口口口口 |----| 口口口口 |③---| 34 口④口口 |①---| 口③口口 |--②-| 口②口口 |--③-| ①口口口 |--④-| 35 口口口① |--①-| 口口③② |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |③---| 36 口口口口 |①---| 口口口口 |--②-| ②口①口 口口口口 口口口口 口③口口 口口④口 |--③-| 口口口口 |--④-| 37 口口口口 |----| 口口②① |----| 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 38 口口口口 |①---| 口①口口 |--②-| ②口口口 |----| 口口口口 |----| 39 口口口口 |①---| 口口②口 |----| 口①③口 |②---| 口口口口 |③---| 40 口口口口 |①---| 口口口口 |----| 口口口③ |②---| 口口①② |③---| 41 口口口口 |①---| ③口②口 |--②-| 口口口口 |----| 口①口口 |③---| 42 口④口口 |①---| 口③口口 |--②-| 口②口口 |--③-| ①口口口 |--④-| 43 口口口① |--①-| 口口③② |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |③---| 44 口口口口 |①---| 口口口口 |--②-| ②口①口 口口口口 口口口口 口③口口 口口④口 |--③-| 口口口口 |--④-| 45 ①②口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 46 口口口口 |①---| 口口①口 |--②-| 口口口② |----| 口口口口 |----| 47 口口口口 |①---| ③口口口 |----| ②口口口 |②---| ①口口口 |③---| 48 口①口口 |①---| 口②口口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 49 口②②口 |①---| 口口①口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 50 口口③口 |--①-| 口②口口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 51 口③口口 |--①-| 口口②口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 52 ①口②③ |--①-| 口口口口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |③---| 53 口③③口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口②① |----| 口口口口 |③---| 54 口口③口 |--①-| 口②口口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 55 口③口口 |--①-| 口口②口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 56 口③③口 |--①-| 口口②口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 57 口③③口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口②① |----| 口口口口 |③---| 58 口口③口 |--①-| 口②口口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 59 口③口口 |--①-| 口口②口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 60 ①口②③ |--①-| 口口口口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |③---| 61 口③③口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口②① |----| 口口口口 |③---| 62 口口③口 |--①-| 口②口口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 63 口③口口 |--①-| 口口②口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 64 口③③口 |--①-| 口口②口 |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 65 口③③口 |①---| 口口口口 |--②-| 口口②① |----| 口口口口 |③---| 66 口口口口 |①---| 口口口口 |----| ②①②① |②---| 口口口口 |----| 67 口口口口 |①---| ①②①② |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 68 口口口口 |①---| 口口口口 |----| ②①②① |②---| 口口口口 |----| 69 口口口口 |①---| ①②①② |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 70 口口口口 |①---| 口②口口 |----| 口口口口 |②---| 口①口口 |----| 71 口口口口 |①---| 口口口① |----| 口口口口 |②---| 口口口② |----| 72 口口④口 |①---| 口③口口 |②---| ②口口口 |③---| 口①口口 |④---| 73 口口口口 |①---| 口②口① |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 74 口口口口 |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |②---| ②①②① |----| 75 口口口口 |①---| 口口口口 |----| ②①②① |②---| 口口口口 |----| 76 口口口口 |①---| ②①②① |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 77 ②①②① |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 78 口口口口 |①---| ②①②① |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 79 口口口口 |①---| 口口口口 |----| ②①②① |②---| 口口口口 |----| 80 口口口口 |①---| 口④口口 |②---| 口③口口 |③---| ①②口口 |④---| 81 口口②口 |①---| 口口①③ |②---| 口口④口 |③---| 口口口口 |④---| 82 口口口口 |①---| 口①①口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----|
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タイトル(コピペ用) ファイナルファンタジー5 ジャンル RPG このページを編集 海外タイトル Final Fantasy V 発売日 1992/12/06 動画を追加 シリーズ FFシリーズ TASVideosForum 現行最速 -表示 国内版 ここを編集 記録 3 34 41.07 追記回数 21525 Player samurai goroh TASVideosページ http //tasvideos.org/1649S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク part2,part3,part4,part5part6,part7,part8,ENDING マイリスト 備考 Movieファイル 解説 その他 -表示 国内版 ここを編集 記録 3 52 15.97 追記回数 86909 Player トーマス A. スコット TASVideosページ http //tasvideos.org/2692S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク マイリスト mylist/12895100 備考 Movieファイル 解説 過去最速 +表示
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ファンタジーっぽい作品を創作するスレ 1:創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 00 52 33 ID 0DLc6Vr0 ファンタジーっぽい作品を創作するスレです。 古代・近代から現代・近未来、ライトから本格派、 SS・小説からイラスト・漫画まで、ファンタジー風味ならなんでもどうぞ。 【現行スレ】 ファンタジーっぽい作品を創作するスレ 2 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281160180/ 【過去スレ】 ファンタジーっぽい作品を創作するスレ http //namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228924353/ 【避難所】 ファンタジーっぽい作品を創作するスレ〔避難所〕 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1280746108/ 投下作品まとめ 連載作品まとめ スレ2 スレ1 ページ最上部へ
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ラ研クエスト・ファンタジー はmaya?著のラ研パロディ小説。GW企画で感想総数2位を獲得した。 概要 2009年GW企画に投稿された短編小説。 ライトノベル作法研究所の利用者(主にチャット)を登場人物とする冒険ファンタジーである。 以下、作者コメントを抜粋。 この作品がどういうものなのかを簡単に説明します―― 1. 逆高得点王に俺はなる! 2. 赤点がほしいか? なら、くれてやる! 3. (赤点から)逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ 4. 赤点が付いたらそこで作品終了だよ 5. 諸君、私は赤点が好きだ。諸君、私は、赤点が好きだ。諸君、私は赤点が大好きだ。殲滅赤点が好きだ、電撃赤点が好きだ、打撃赤点が好きだ、防衛赤点が好きだ、包囲赤点が好きだ、突破赤点が好きだ、退却赤点が好きだ、掃討赤点が好きだ、撤退赤点が好きだ。平原で、街道で、塹壕で、草原で、凍土で、砂漠で、海上で、空中で、泥中で、湿原で、この地上で行われるありとあらゆる赤点が大好きだ。 どうぞ、よろしくお願いします! 作品は企画終了後に削除され、跡地には以下のコメントが残された。 こんにちは、mayaです。 本作はGW企画の感想投稿期間が終了したということもあり、作品の本文を削除させて頂きました。来週末ぐらいには、本作そのものも削除させて頂く予定となっております。ご了承ください。 本作については、名を出さず、雪野珍月名義にして、彼に全責任をぶっかけ、逃げの一手を打とうかとも考えたのですが、どうやら、拍手機能のバグによって名前が早々にバレてしまっており、最早、後の祭り…… こうなったら、何かいいこととか、面白いこととか、下世話なネタとか、そんなことでも書いて、お茶を濁してから、ばっくれた方がベターです。 というわけで、以下、本作の制作過程について、ちょこっとだけお話しさせて頂きます。 本作を書こうと思ったきかっけは、ほとんど覚えていませんw とりあえず、GW企画には一日に一作、投稿しようと考えており、その予定通り、初日と二日目の作品を投稿して、そろそろ作品という名の弾丸も尽きかけた頃、さて、三日目の分は何を書こうかな――初日は公募用のコメディ作品を出したし、二日目は本気汁のダークファンタジーを出したし……となれば、そろそろネタ小説にでも手をつけるか、 といったところから、本作の創作は始まったのだと思います。 (ちなみに、結局のところ、本企画には作品を三作しか提出していません) そこで、投稿期間二日目、5月3日(日)の19時頃―― ネタ小説と言えば、最近、企画では、龍咲さんやたちばなさんがラ研をモチーフにした作品を出していたなあ、よし、じゃあ、わたしもそれを真似してやれ、というアイデアがどういう脳内のシナプスの異常発火で起こったのかは知りませんが、 とにもかくにも、そんな感じで、30分ほどで5枚ぐらいのパイロット版を書き上げてみたわけです(龍咲さんが主人公で、たちばなさんがヒロインなのは、そんな理由によります)。 ところが、途中でふと、気がつきました。 本人たちに全く了承を得ていないのです!w さすがにこれには、面の皮ばかりが厚いわたしも焦りました。 身内ネタ小説ですから、最低限の礼儀は守らないとルール違反です。そんなわけで、龍咲さんとはすぐにメールにてやりとりをしました。 当時の文面を誠に勝手ながら、公開します―― (M=maya、L=龍咲さん、と略させて頂いています) M「こんな作品を書いてみたのですが、Lさん的にOKですか?」 (内心では、止めてほしかったのです、本当ですよ^^) L「ちょw 面白れえ、もっとやれw」 M「え? マジですか……いやあ、ネタ的にはどうにも……」 L「これが投稿されなかったら、完走制覇しません!」 M「マジでか! なら、書かなくちゃいけないのか……ちくそう!!」 と、ちょっとだけ記憶も曖昧で、肝心のメール文書も手もとにないため、大まかな話となってしまうのですが、いずれにしても、こんなふうなやり取りを(たぶん)経てから、わたしはたきつけられるようにして、本作を再度、書きはじめたのです。 ちなみに、少し本当のことを書くと、「身内ネタ小説ですから、あまり刺激的なものにしない方がいいですよ」とか何とか、そんな温かいアドバイスもされたような気がしますが、熱くほてったわたしの心には、龍咲さんのやさしい言葉など届きません! で、登場するモンスター……、じゃなくて、出てくる方々の条件となったのは―― 1)基本的に今回の投稿室に作品を出していそうな方 2)わたしが何かを書いても怒らなそうな度量の広くて紳士的な方 3)亀さん、かちさん、寺さん、元村さん、そして神さまは特別超銀河友情出演 (ただし、ご本人たちには一切の何の断りもなしw) といったところで、おおよそ、21時前後に半分以上、書きかけていたのですが、ここで少し心が砕けたのです。というのも、途中で気分転換に読みはじめた冬目景さんの『ももんち』(小学館)が面白くて、そのじんわりとした温かい作風を前にして、 「わたしはいったい、何をやっているんだ……いい年こいたおっさんが、こんな阿呆みたいな身内ネタ小説を書いて……鬱だ、そろそろ首吊って……いや、その前にトイレ行ってから、飯食ってこようか」 と、意気消沈してしまったのです。 そんなふうにして、近場の行きつけの焼鳥屋に行って、近所のおっさんたちと、「豚インフルエンザが流行っても、練馬だけは大丈夫さ、馬だけに!」なんて根拠ナッシングの下らない会話をしながら、22時頃、家へと戻り、ふたたびPCを開いたわたしは、本作をゴミ箱に捨てるつもりでおり、そのことを龍咲さんに伝えようとチャットに入ったのです。 以下、そのときの会話の内容を簡潔に転載します―― (M=maya、L=龍咲さん、T=たちばなさん、と略させて頂いています) M「Lさん、ごめん……もうわたしにはこれ以上、書けない!」 L「ネバー・ギブアップ。ドント・ウォーリー!」 M「そ、それは、松岡修造!」 L「Mさん、あきらめたら、そこで試合終了ですよ」 M「…………」 L「Mさんはただ書けばいい。後のことは僕が全て、責任を持ちます」 M「分かりました。ありがとう、Lさん!」 T(この人たち……いったい何の話をしているのかしら……) L「いきいきするぞー!」 M「熱くなるぞー!」 と、5月3日(月)22時頃の雑談用チャットのログを確認したら、そんな会話は微塵もしていなかったのですが、とりあえず、精神的にはこんな感じでやり取りをし合い、再度、龍咲さんにたきつけられたわたしは、さらに登場人物を増やし、ネタも増強し、どの方面から怒られても龍咲さんが盾となって、責任を被ってくれると信じて、25時頃には脱稿を果たしたわけです。 途中、トイレに行ったり、マンガを読んだり、焼き鳥を食ったり、エ× ゲをしたり、賢者タイムに入ったり、といったふうに色々なことをやっていたので、たぶん、差し引いて5時間ぐらいで本作は完成したことになります。 もちろん、推敲する気にはなりませんでした。このダイヤの原石のような身内ネタ作品をさらに磨き上げるなんて、わたしにはできません!(面倒だからやらなかったわけじゃないよ!) で、日曜の深夜は、関東圏ではアニメ『咲 ―saki―』がやっているので、それを見ながら「やっぱり、ぱんつはいてないよ」と膝を叩いてにやにやしてから、本作を投稿したわけです。反応が怖くて、ちらちらとチャットを見ていたら、旧の方では30分もせずに正体がバレていましたw(さらに追い打ちをかけるように拍手バグが!) と、まあ、以上が本作のいきさつとなります。 で、とりあえず、わたしは言いたいのです―― 本文で作者が分かるというのは仕方がないです。うん、ま、それはもう文章の癖みたいなものだし、わたしの文体はそこそこ特徴的みたいだから、わりと諦めてもいます。 が、…… 作者コメントで分かるって何だよ!w あと、タイトルだけで臭ってくるって何だよ!w こっちだって、企画の最後になって、「じゃーん、本作の作者はわたしでしたー♪」みたいなのをたまにはやりたいんだ! ちくしょう……、一度も、匿名企画で最後までバレずにいたことがないというこの心の痛み……こうなったら、次はもっと変な作品を書いてやる! と、新たな決意表明をしたところで、本稿を閉じます。 最後にひとこと――良い子は、反面教師にして、決して真似しないでください^^ ストーリー 勇者パンツと相棒へべが繰り広げる冒険ファンタジー。 登場人物 勇者パンツ(主人公。モデルは龍咲烈哉) へべ(へべれけ) 以下、多すぎる(面倒くさい)ため登場した利用者の名前を編集者が覚えているだけ列挙する。誰か補完してください。 ふんどしのひと、カズナ、ラスト、夜凪、エルス、ゆーぢ、高橋アキラ、元ガス屋、ガタック、たちばな、Sのひと、遥風彼方、雅、雨杜 潤、雪野新月、寺宙、クッパ、かっち、亜寺。 余談 結果は本人の希望通りに赤点をつける読者が多かったため、感想総数23個、得点60点、総合42位だった。 本人の狙いとは裏腹に、投稿された瞬間に多くの利用者がmaya?しかいないと悟った。匿名企画としては致命的な問題作である。 爆発的に感想数が伸びてしまったため、当初はこの作品が感想数部門1位を獲得してしまうのではないかと危惧されたが、最終的に2位に終わって多くのヲチャーが胸をなでおろした。
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墓の番人 シンだけでなく、先を急ぐ誰もが最後尾を振り返った。 そこはまだ熱の冷めない輸送艇のエンジンが回っている発着ポートで、ヨウランとヴィーノが慌しくパーツ奪取のために整備点検の道具箱を運び込んでいた。その少し離れた所でアレックスが腕を組んで立ち止まっている。 「ヴィーノ、ヨウラン! 頂けるものは飛行石でも何でも貰っておけよ」 「了解!」 くすくすと笑うミーアがアレックスの横まで戻って、呆れたように『めっ』と指差す。 「そういう言い方は良くないと思うわ」 「じゃあ、どう言えば良かったんだ」 アレックスがムッとしてミーアに聞き返している。少し意外な表情にシンが感心していると、ラクスがシンの前まで戻っていた。 「どういう意味でしょうか?」 見据える王女の瞳は厳しくアレックスを睨んでいるよう。それを見て彼もミーアに向けていたような表情がガラッと変わる。 「俺は空賊だ。レジスタンスに協力するつもりはない」 対するラクスも無表情のまま告げる。 「わたくしに、帝国の圧制に苦しみ、国を失ったアプリルの民を見捨てろと」 「それが俺に何の得がある?」 はあ・・・と横のミーアが溜息をついていた。 「空賊が・・・」 シンは二人のやり取りを息を呑んで見守っていたが、ダコスタのはき捨てた一言が耳に残る。確かにアレックスは空賊なのだ。亡国の王女ラクスやその国の将軍だったキラとは違う。まして、帝国の王子であるシンとは背負う物が天と地ほど違うのだ。 「王国復興と言うが、市民にとってはどんな国が治めようと争いがない状態が一番だ。それは俺達、空賊にとっても同じだ」 統治する者と庇護される者、そのどちらにも属さないから空賊は自由人と呼ばれる。だが、戦乱の世は消費する世界なのだ。金や資源、人命を国家が徹底的に搾取してしまい、軍隊・国家という怪物相手に空賊は太刀打ちできない。 「シン、お前もステラをアプリリウスまで届けたら帝都へ帰れ」 突如、自分の名前が呼ばれてシンは慌ててアレックスを見た。今までも見ていたが声は頭の中を素通りしていたのだ。改めてみるアレックスの前に咄嗟に声が出ない。 シンを見据えるアレックスがまるで別人のように見える。 銀髪を一筋も揺らさずに厳しい声を掛ける兄を前にしたように、シンは本能で背筋を伸ばし、その視線にほんの僅かな懐かしさを感じていた。 「王国復興は、勇者ごっこじゃない。フェイスに言われただろう」 帝国の飛行戦艦でフェイスマスターのディアッカに言われた事が蘇る。 目の前でラクスが身体を硬くしたのにも気づかず、背後でダコスタが飛び掛らんとした所をキラに制止されていた事にも気づけなかった。 「お前のやることは滅びた国を復活させることか?」 俺だっていつか帝国の為、より良く帝国を治める為に動かなきゃいけない時が来る。 「違うだろ。今なら定期便も運行されているし、アプリリウスならお前の兄だっている」 確かにそうすることが一番いいのだろう。 彼女をネオの元に届け、自分は当初の目的どおり執政官府に兄を訪ねる。 そこで旅は終わり、冒険は終わる。 シンがアレックスの言うことに頷いて納得しかけた時、ステラがシンの袖を引っ張った。 「でも、ステラ、アプリリウスに戻っても1人。アウルやスティング達、もう、出発していない」 「えっ、何だって、ステラ?」 ステラのおかげでシンの緊張が一気に解けていた。 「ネオ達、一度出かけると当分帰ってこない。だからアレックス、シンと一緒に居てもいい?」 「あのな、空賊だって遊びじゃないんだ」 シンは自分より彼を当てにしたステラに恨みがましい視線を寄せる。 呆れた表情の彼はステラを見て扱いに困っているようだった。シンには強く出る彼も相手が少女だから戸惑っている。 ミーアがステラの前でしゃがみ込んで、頭を撫でる。 「無茶言わないの・・・」 泣きそうなステラにミーアがそっと微笑むが、ラクスはその様子をチラリと見ただけでアレックスに話しかけた。その唇の端には笑みを少しだけ乗せて。 「では、空賊、こうしましょう。王墓にある宝を貴方に差し上げますわ」 王の墓には埋葬品として多くの財宝が眠っていると相場が決まっている。 ラクスは自分の先祖になる、それこそ自分の一存では決められない歴史的価値のある代物をポンとアレックスに差し出していた。 「覇王の財宝か・・・その話、信じてもいいんだろうな?」 「今まで誰にもその場所を暴かれなかったのですもの」 肩の力を抜いたアレックスがラクスから視線を逸らす。どうやらこの勝負、彼女の勝ちのようだ。財宝が手に入るならアレックス的にも問題ないのだろう。ミーアに肘で小突かれて居心地悪そうにしている。 ステラも手を叩いて喜んでいる。 これで残すは唯1人だ。 「俺は一緒に行ってもいいのか?」 「あらどうしてそう思いますの?」 「だって、俺・・・」 アンタ達が倒そうとしている側の人間だ。 シンはそれを口に出せなくて、視線を落とした。 「大丈夫。僕達、君をそんな目で見ないよ」 シンの気持ちを察したのはキラ。しかし、元将軍は優しいだけではなかった。 「あっ、それもちょっと違うかな。君は確かにプラントの王子だけど・・・それだけだ」 シンはその意味が分かってしまって拳を握り締めた。ここ数日、ずっと自分が感じてきた焦り。直面した現実。プラントの王子としての注意を向ける必要がないのだ。影響力がないといっていい。敵にも味方にも。 「アプリル復興レジスタンスの仲間入りはちょっと無理ですけれど、空賊の仲間と言うことなら問題ありませんわ」 「な!」 振り向いたラクスをまじまじと見てしまう。彼女はにこりと笑って、その後ろのアレックスが怖い顔をしているのがぼやける。 「あっ、俺・・・」 一緒に居てもいいんだ。柄にもなく目の奥がじいんとするから、急いで瞬きしたけど目じりに熱いものが浮かんで慌てて腕を上げる。ステラが不思議そうに見上げるから、妙な泣き笑いになってしまって誤魔化せなかった。 「予定変更。さっさと撤収するぞ」 いきなりアレックスが輸送艇に張り付いていたヨウランに声を出す。装甲を剥しかけていたヴィーノが反対側から顔を出し文句を言う。 「まだ、全然なのに~」 「またやばいことに首突っ込んでるよ絶対、これ」 ヴィーノとヨウランが顔を合わせてブーブー言うが、アレックスは聞こえないフリをして工具をしまい始める。 「さっさと行く!」 シンも照れ隠しに工具箱に手をかけるが、ヴィーノから『それはそっちじゃない!』と盛大に怒られてしまった。真似したステラがヨウランに同じように怒られたのはそのすぐ後。ラクス王女達は王墓へもう一つの種石を探しに、成り行きで空賊見習いとなったシン達は財宝を探しに、セイバートリィが空中都市から旅立った。 見習いの仕事は多い。 ヨウランとヴィーノについて簡単な飛空艇の整備を教わった後、輸送艇からぶん取ってきたパーツの仕分けを手を油塗れにして一緒にする。その後は雑用が待っていた。おかげでセイバートリィの中を隅から隅まで見ることができるわけだが。 「見習いか~」 「ついに俺達にも手下が!」 ヨウランとヴィーノが頭の後ろで手を組んで簡単に案内を始めた。 財宝と物資が雑然と詰め込んであるカーゴスペース。そこには食料や水もあって、隣には小さな炊事場があった。仮眠スペースと炊事場の間に大きな筒があり、頭を傾げているとヨウランが得意げに説明を始める。 「アレックスって、きれい好きなんだよ」 「そっ、あれで結構、風呂好きなんだよなあ」 驚くことにこの筒の中で簡単にお湯を浴びることができるらしい。 想像できなくてステラと二人で中を見回すが、どのような仕掛けになっているのか、風呂と聞いて大理石の大浴場か安宿の風呂桶しか思いつかないシンには見当もつかない。 あと、入ったことがないといえば機関部くらいだろうか。ラクス曰く、王墓は大陸の端にあると言うから、辿り着くまでに一度は入ることがあるだろう。大陸の端と聞いて複雑な顔をしていたアレックスとミーアが気にかかるのだが、それ程遠いのだろうか。 「ヨウランとヴィーノは飛空艇の操縦はできるのか?」 「飛空艇の操縦?!」 「ああ。いつも整備ばっかしてるから」 顔を見合わせる二人は笑いながら、シンの肩をポンポンと叩く。通路の壁にもたれるヨウランが少し真剣な顔をして言う。 「それは気が早いってもんだぜ、シン」 「そりゃ俺達だって、普通の飛空艇の操縦くらいできる。でも、これは違う」 コンコンと壁を叩くヴィーノ。 「本当はさ、整備だってアレックスがやった方が断然早い」 「えっ、そうなのか・・・?」 「なんたって、あの人が設計して自分で作った飛空艇だからな」 自分で設計して、自分で作った? 設計はいい、図面を引くことだ。けれど、自分で作るというのは良く分からない。 「俺達も良く分からないけど、コツコツ一から作り上げたらしいぜ」 「だからこんな規格外のわけわかんねえ設備が満載なわけよ、セイバートリィは」 自分で一から・・・そんな事が可能なのだろうか。 木のおもちゃの模型飛空艇とは違うのだ、なんてったってセイバートリィは本物の飛空艇。正真正銘に人を乗せて空を飛べる。 あ、と言うことは。シンはようやく思いつく。 「じゃあ、セイバートリィってのもアイツの命名?」 「あたり」 「ネーミングセンスないよな~」 カツカツと靴音が響く通路の先は飛空艇のコックピット。バシュと音を立てて扉が開くと、そこにはミーアの広げた地図を覗き込むアレックスと地図を指差すラクス達がいた。 「この先は飛空艇では進めないから、歩きだな。大丈夫か?」 アレックスがラクスに確認するのを見て、シンは口を尖らせる。ターミナルであれほど剣呑な二人だったのに、今、彼は彼女を気遣っている。それはステラも同じだったようだ。 「アレックスとラクス、仲直りしたの?」 付き合いの長いヨウラン達にはさほど奇特な光景でもなかったらしい。 「ああ・・・あの人、基本的に女に弱いから」 「ミーアの尻に引かれてるしな」 「聞こえてるぞ」 舌打ちをした当の本人が振り返って、釘をさす。慣れたもので、だからどうというわけではないやり取りに、気にするだけ無駄だと思った。それより、気になったのは何もそれだけじゃないので、別のことを聞くことにした。 「飛空艇では進めないって?」 「お前、本当に何も知らないんだなあ」 「まだ見習いですからー」 アレックスに意地悪く言われて、シンはぶすっと開き直った。 飛空艇から降りてシン達が少し進んだ所で、ヨウランとヴィーノが手を振っていた。その姿が急に消え、セイバートリィそのものが消えてしまった。シンとステラは純粋に驚いていたが、ラクス達は違った。険の含んだ声。 「便利な機能ですのね」 「ああ、空賊にとってはな」 ヨウランとヴィーノが残っているとは言え、安全とはいえない。 アレックスは有名な賞金首で彼を追い掛け回している空賊もいる。彼自身も飛空艇も身を隠す必要がある時があるのだ。 空を自由に飛べる飛空艇に唯一の不便があるとしたら。 それはエネルギーでも定員でも国境でもない、飛空艇が飛べない空。大陸の果てや絶海のエリア、いわゆる前人未到の秘境である。誰かしら足を踏み入れた場所は秘境ではなくなるから、畢竟、飛空艇が乗り入れできない場所、イコール、秘境であった。 原因は分かっていないが、ただシードが濃過ぎる場所では飛空艇は空を飛べなかった。 大気なのか、地上に何かがあるのか、そこでは飛空艇を降りて、自分の足なり動物なりで進むしか道はない。 そう、目の前に広がる砂漠のように。 遥か向こうに蜃気楼が浮かんでいる。 「廃棄された油田だな」 飛空艇が開発されるまで、地底から掘り上げた油を使って物を動かしていたのだという。グレン王が大陸をまとめることでその座をシードを含んだ石にとって変わられることになった。 しかし、数十年前からコスモス連邦では失われた技術を見直し、こうして油田を再開発したりもしていた。その有用性が見出せずこの油田は破棄されて久しいが、技術競争は魔法とシードを含んだ石だけでなく、過去の遺産、未知の可能性、そんな所にまで及んでいた。 「大砂漠を超えた向こうにグレン王の墓は眠っています」 同じように過去の遺産を求めるラクス王女。 シンは勇ましくスタッフを抱え、砂漠に足を踏み入れる女性を見る。 もう一つの種石を手に入れたらこの人はどうするのだろう。 決まっている。クライン王家の生き残りとして名乗り上げて、アプリルが帝国から独立する為の運動をするのだ。常に付き従うダコスタと言う軍人も、一歩引いて彼女を守るキラもその戦いに身を投じる。 「先を急ぎましょう」 ダコスタがささっと前に出て露払いを始めるが、ミーアとアレックスはのんびり歩き出した。 「そう慌てるな、ここから先は長丁場になる」 「彼の言うとおりだよ。この砂漠、慎重に進まないと」 先を急いだラクスとダコスタを呼び止めるように、キラとアレックスが後ろから続く。シンとステラはさらにその後ろからミーアと一緒に歩いていた。 「その者達を信用するのですか、ヤマト殿は」 「信用するとかしないとか、ただ僕はその方がいいと思っただけだよ。だから、ミーアさん、貴方が先導を頼みます。見たところ貴方が一番、シードに敏感だ」 驚いたミーアはラクスとそう替わらない年齢に見える。むしろ嫌そうな顔をしたのはアレックス。 「あ、あたし? そう、よねえ・・・アレックスに任せたらここでミイラだわ」 「いいのか?」 「何よ、あなたより道案内は正確よ?」 それはそうだ。アレックスには前科がある。キラの判断は正しい。 「そういう意味じゃなくて」 「大丈夫よ。その代わり、この二人の見習いさんを宜しくね、アレックス」 さっさと歩き出したミーアは砂漠から立ち上る陽炎にぼんやりと揺られ、大砂漠と遺棄された油田施設の間を進んだ。 一方、その頃のアプリリウスではディアッカが、結局上手い言い逃れが思いつかずにありのままをイザークに報告していた。 「それで貴様はおめおめ引き下がってきたというのか!」 「ほら、そろそろシンも独り立ちしないといけない年頃じゃない?」 「アプリル復興派と一緒にいて何が独り立ちだ! 王女は稀代の歌姫だぞ、ころっと洗脳されたらどうしてくれる!!」 執務室のデスクを挟んだやり取り。 悪びれもせず飄々とする部下に憤ってみても後の祭り。 「まあまあ、落ち着けって、イザーク、殿下」 「フン!」 臣下の礼を取られれば、イザークは怒りを収めて節度ある態度を取らねばならなかった。 自分でも詮無きことと思っても、歯がゆいのはもはや自分の性分だと諦めるしかない。 シンは自分に残された、ただ1人の弟だ。 王宮にいる皆が大切にし、危険から遠ざけ、帝国の闇に染まらずにこれまで育ってきた奇跡のような存在だった。 あの兄でさえ、シンには全く裏の顔を見せなかった。シンを子ども扱いする大人であり、優しい兄なのだ。実際にはフェイス達を抱きこみ、元老院と激しい情報戦を繰り広げている最も皇帝に近い男。 「兄上の様子はどうだった。大事はないか?」 「ああ。変わりはなし。だが、油断はできんだろう。あっちは完璧に元老院を敵に回しているからな。お前と元老院相手に本当によくやるよ」 ギルバート・デュランダル・プラント。 イザークとシンの兄は次期皇帝と目されながらも、未だ皇太子として指名されることはなかった。その真意の読めない言動から元老院は彼を恐れた。 だからこそ、イザークにも皇帝の座主を取る機会が残されているのだが、己がそれを望んでいるのかと問われれば返答に困る問いだった。 「父上はどうなさるおつもりだ・・・シンの事といい、兄上のこといい」 「お前、こーんな辺境に飛ばされた自分のことは棚上げか?」 「俺は兄上と血みどろの権力闘争を繰り広げたいわけではない。帝国の未来を考えた時、ただ兄上の望むとおりに進むのが恐ろしかっただけだ。もしもの時は俺が兄上を止めねばならん。その為に何の力もなかったのでは話にならんではないか」 兄を認めないわけではない。 優れた洞察力や指導力を持っていると思う。だが、元老院が危惧する不安をイザークも同じく抱えていた。 兄弟だからと安易に構えていることはもうできないのだ。 その為に弟を1人、失った。 ただ1人正妃から産まれた弟は、7年前に皇帝の座を狙う兄に障害とみなされ排除された。気づいた時には兄は既に詰めに入っており、当時何の力もなかったイザークには子供だましの妨害しかできなかった。 イザークの一つ違いの弟。 アスラン・ザラ・プラント。 滅びたアプリル王国のラクス・クライン王女の許婚だった。 覇王の血を引く正妃を母に持ち、将来を託望された、年が近いせいか何かと癇に障る弟だったのに。 正妃の血族に連なる者を延々と辿って殺害し、蹂躙され焼き尽くされた弟の封土ユニウス領にイザークは愕然としたものだ。王宮の恐ろしさと現実を知ったあの時から、理想と正論で構築された学術の世界から、権謀術数渦巻く世界へと足を踏み入れた。 「まあそう焦ることはないと思うぜ。シンの奴、空賊と楽しくやってるみたいだからさ」 「空賊か・・・ラクス王女に丸め込まれるよりは、ましか」 自分の中で何かしらの落としどころを見つけたイザークはようやく緊張を解く。 「そうとも限らんぜ。あいつはどことなく似ているよ」 「誰にだ?」 いつもと違うディアッカの声に聞き返していた。『あいつ』が誰を指し、誰に似ているのか確認したかった。 「一緒に居る空賊がさ、ちょっと見た目アスランに似てるんだ」 なるほど。だから、その空賊とやらに付いて回っているのか。 イザークはその瞳にしか色らしい色を持たないが、会えば嫌味しか言えなかった弟は濃紺の髪とエメラルドの瞳を持っていた。珍しい組み合わせだが、世界でただ1人というわけでもあるまい。現に彼の母親、レノア王妃も青い髪に緑の双眸だった。 世界に3人はいるという、他人の空似か。 「いつか・・・不肖の弟が世話になっていると、挨拶に出向かなければならんな」 「きっと馬が合わないと思うぜ」 7年も経てば、過去の惨事も思い出に替わる。 痛みに耐えられない自分ではないはずだ。 「だろうな。空賊と馴れ合いたくもない」 「と言うことは、シンはこのままか?」 「それとこれとは別だ。動向には注意を払っておけ」 「あ、やっぱり」 イザークはディアッカが持ち帰った黄昏の種石を手に、ラクス王女の次の手と兄の動きを考える。そして、アプリリウスの空に帝国軍ではない帝国の飛空艇が到着したのを見て、眉を潜めた。 「ディアッカ、席を外してくれ。ドクター・クルーゼが来る」 「それでは、お暇しましょうか」 手にした種石はぼんやり光を包んで不思議な色を放っている。 これの件で来たのだろうと、苦笑した。 「まいったな。筒抜けじゃないか」 辞したディアッカと入れ替わりに執務室に入ってきたのは、白い着崩した軍服と白い仮面をつけた金髪の男だった。ドクターと言うにはいささか好戦的じみている。 「これはドクター・クルーゼ。このような辺境に遠路はるばるよく来られた」 「いやいや。私も君の奮闘振りを見ぬわけにはいかぬ」 それもそのはず、ドクター・クルーゼはイザークが学業時代に師事した教授である。専門とは別に剣技や魔術にも通じ、学術全般にわたって教えを乞うた恩人である。そして、あの兄と懇意にして、自分専用の研究所を設立させるという荒業を成し遂げた人物だった。 延々と続く砂漠で幾度も野宿をし、オイル臭い油田施設で蒸し焼きになりそうなりながら、ようやく超えた砂漠の向こうには一転して海が広がっていた。 「あーやっぱり、水はいい」 海水を蒸留して飲料水を蓄えたばかり。 教わったばかりの炎の魔法で火をおこし、氷の魔法で急激に冷やして蒸留する。残った塩も勿論無駄にはしない。この暑さの中、根気よく魔法にチャンレンジしたシンとステラにミーアが『素質あるわよ!』なんて褒めるものだから二人はバシャバシャと一緒に海岸線を走っていた。 無駄に魔法を掛けながら。 「大陸の先にこんな所があったなんて」 「海からもおそらく侵入できないのだろうな」 オアシスの木陰で、即席で作った椰子の葉の団扇でお互いを扇ぎあっているアレックスとミーアがその光景をぼんやりと眺めている。その中間にラクスとダコスタ、一歩後ろにキラが太陽に照らされて立っていた。 「暑くないのかしら」 「高貴な人の考えることは分からないさ」 アレックスが補充したばかりの水を喉に流し込む。ラクスの後ろ姿を見ながらミーアが呟いた。 「王墓にどんな財宝が残っていると思う?」 「君はあの話を当てにしているのか?」 動く気配を見せた王女様ご一行に、やれやれと腰を上げる。 「当たり前じゃない。こーんな苦労をして行くのよ、何もなし、じゃ割に合わないわ」 「はは。確かに、な」 シン達に手招きしながらミーアは思い出したようにアレックスを見る。 「キャンベラの詩にあるわ。世界の種は天の四方に一つずつ配されたと」 「4つの樹が天蓋を支えている、と言うあれか」 「ええそう。そして、神は人に樹を切り倒されないように見張りをつけたの」 初めて聞く話だと彼は眉をひそめ、その続きを即す。分かっていながら聞かずにはいられなかった。 「見張り?」 「要するに種石を守る番人ね」 ラクスの話ではこの弧を描く海岸の辿り着く先に王墓が隠されているのだと言うが、彼女はどこまでジョージ・グレン王の王墓のことを知っているのだろうと、二人は歩き出した王女を見つめた。 一日進めば海岸の先に切り立った断崖が見え、内陸へと細い道が繋がっていた。道中はやはり野生化した凶暴な猛獣が出現したが、使命に燃える王女一行の敵ではなかったらしい。多少の疲労感を纏って、細い道を抜ける。 岩場を繰り抜いて作ったと思われる石の都が目の前にあった。 「ここがグレン王の王墓」 「そうですわ・・・おそらく」 ダコスタが感慨深く呟いた傍から、ラクスが一歩前に出て正面の大きな建造物を見据えた。 「王墓への入り口は・・・あそこですわ」 外は日差しが照りつけじりじりと焼けるようだというのに、墓室内への入り口はひんやりとして涼しかった。シンとステラは王墓の壁にぺたりを頬をつけてヒンヤリ感を楽しむ。 「ラクス様。本当によろしいのですか。空賊風情に」 ラクスが壁にへばりついているシンとステラを見る。その後ろからアレックスがシンの頭をベチッと叩いていた。ミーアとステラが単純に無事の到着を喜び、財宝に胸を膨らましているように見える。 「ダコスタ。わたくしは約束しましたわ。例えそれが空賊だとしても、決して違えることはありません」 「はっ。出すぎた真似を、申し訳ありません」 アレックスに叩かれて少し神妙にするシン。 石造りの扉の前で誰が一番に乗り込むかで少しは逡巡するかと思っていたら、2・3言交わしただけであっけなくダコスタが飛び込むのを見て、なんだかその努力に涙を誘われそうになった。 「ラクス様、こちらです」 ぞろぞろと内部へ入り込む光景は、観光案内のように危機感のないもので。 しかし、観光とは行かなかった。 「なんだよ、これ!」 足を踏み入れた墓室の内部には薄く靄みたいなものがたゆたっていた。光のプリズムを鈍くした光のない靄が流れている。 「シードが濃いのよ」 「シード、目に見えるの?」 ステラの疑問はもっともな事で、ステラの頭をくちゃっとしながらアレックスが続ける。 「普通は目に見えないな。けれど、シードが集まる場所では目に見えることもある」 「じゃあ、魔法が使いやすいのか」 「そうとも言えないな。確かに俺達もシードを集める手間は軽減されるが、相手もそうだろうから、条件は同じだ。むしろ分が悪いかも知れない」 何かに惹かれるように階段を降り始めたラクスを慌ててダコスタが追い、勢い全員が王墓の奥深くへと進む。 物々しい石像が所狭しと並び、階段の脇にはシードによる炎が灯されている。 ふと視線を感じてシンは振り返った。 「すげぇ」 見たこともない大きな石像がシンを見下ろしていた。 幾つも手があり幾つも脚がある、謎の物体。 どっかの神様・・・なんだろうか。 そうこうする内にその石像が動いた、ように見えた。 「あれ?」 「シン、どうした」 立ち止まったシンを見つけたアレックスも同じように立ち止まり石像を見上げる。 「すごい石像ーーー!?」 二人が見上げる中、その石像の腕がガシャンと振り下ろされた。手にした刃物は石造りとは言え、人の身の丈はある巨大なもので、しかもその石像には無数に腕があるのだ。 全員が目を見張る中、石像がずるずると動き出した。シン達のいる方に向かって、幾つもある足をムカデのように動かしなら。その様子に生理的嫌悪を感じたミーアがステラを引っ張って一番に走る。 「あの扉まで走って! 早くっ」 ラクスを庇ってダコスタとキラが残り、シンとアレックスがギリギリ扉に滑り込んだ。と、同時に扉に重低音が響き、振動でびりびりと揺れる。 「みんな。無事?」 「・・・何とかな」 キラが確認すると、ゼーゼーと息をつくシンの変わりにアレックスが答えるが、言い終わらない内に足元に振動が響く。 「いいえ、まだですわ!」 嫌な音が前方から迫っていた。逃れたばかりの石像と同じものがずるずるとこちらに向かってくるのが見える。剣を抜くダコスタとキラ。ラクスがスタッフを振って、二人に魔法を掛けていた。 「ミーアはステラを頼む。これが番人なのか・・・?」 「分からないわ。でも、早くしないと・・・あたし達ぺちゃんこよ!」 ぺちゃんこ!? シンは迫る石像に向かって剣を振り上げて切り込んだ。 「こらっ、シン待てっ!」 アレックスが銃を構えて後を追う。 「あー、もう」 4人が寄ってたかって攻撃したものだから石像はなんとか破壊できたけれど、男連中は時間を気にして全力でぶつかっていた。 「そんなに焦らなくても・・・仕方ないわねえ」 ミーアが皆に疲労回復の魔法を掛ける。 「アレックスまで混じって、何も銃の端で殴ることないじゃない」 「ごめん。ちょっと焦った」 息を整えて、石の瓦礫を乗り越える。 気を取り直して進んだ扉の先に本番が待ち構えているとも知らずに、ラクスが通路の先の扉を押す。 そこには先程の石像よりさらに大きな石像が道を塞いでいた。 2度も遭遇すればただの石像でないと誰でも予想が付いた。 巨大な石像の台座にラクスが触れ、掘られた文字を辿る。読めない文字ではなかった、王家のたしなみとして多少なりともかじった古代文字。 魔人ジャスティス。 文字が浮き上がり床に巨大な図形が浮かび上がる。 一同の予想にたがわず、無機質な岩の身体を赤く染めて手にした剣を振り下ろした。 まるで血が滴り落ちそうな紅色をした巨人は、黄緑色の目を見開いて大剣を振り回す。背に白い布地を垂らし、それすら動くたびに風圧でシン達を翻弄した。頭には大きな角が2本あって、この巨人が微妙に女性の身体をもっているなんて反則だと思った。 「まずは動きを止めないと!」 避けるのがやっとではいつまでたっても倒すことができない。 炎と共に剣戟が建物全体を震わせる。 「あの大剣は俺がやろう!」 振り上げている時が多い腕をアレックスが狙い、キラ達が足を狙う。 何度目だっただろう。 シンは剣を振り上げた。 「いい加減に、やられろってんだっ!!」 ミーアの疲労回復魔法の光が収まってすぐに、魔人ジャスティスの動きが止まる。 赤い光が巨体から迸ったと思ったら、今度は色を変えて魔人の身体へと集まっていく。その中に何か光るものがあると気が付いた時には、巨体はすっかり消えていて、宙にプカプカとクリスタルが浮いていた。 「今のが・・・番人ね」 「だとしたら、この先には」 汗をぬぐうアレックス。ミーアがシンとステラの手当てをしながら奥を見やる。 魔人の消えた先には小さな、しかし重厚な入り口があった。 「結局、財宝なんてなかったな」 「いいえ、あの魔人こそが覇王の遺産だったのです」 入り口の前で振り返るラクスが笑みを浮かべた。 何もかも分かっていて、財宝があるかも? と持ちかけたのだ。 「冗談はよしてくれ」 アレックスは宙に浮かぶクリスタルに手を伸ばす。 確かに見た目はきれいだし、ちょっと変わった宝石として通用するかもしれない。けれど何かの拍子に今の魔人が出てきたとしたら? そんな物騒なものを持ち帰るわけには行かない。触れるだけにしてそのままにしておこうと思ったのに、クリスタルに指先が揺れた瞬間、その透き通ったクリスタルは消えてしまった。 「なっ!?」 「お気を悪くなさらないで下さい。わたくしも詳しくは知らないのです」 ラクスはそっけなく告げて入り口を潜る。 未だ感触が消えないのか、彼が指先を見ていると、トントンと背中を叩く手。 「まっ、気にするなよ!」 シンにはこれで二度もお宝を手に入れそこなった彼を励ましたつもりだったのに、返ってきたのはゲンコツだった。 「痛ってぇ」 「何が気にするなだ、見習いのくせに生意気なっ」 両手で頭を押さえたシンもアレックスも小さな入り口を潜る。ステラが隣に来てぎゅっと服を掴んだのを見て、ラクスが立ちすくむその先を見た。 暗いはずの墓室の最も奥の部屋に、青白い光が浮いていた。 「暁の種石・・・」 なぜラクスは立ち止まっているのだろうとシンは光を凝視する。 それが人の形をしていると気が付いて、深紅の瞳が限界まで見開かれることになった。シンの記憶の中にいる人物がそこにいるのに、今すぐにでも駆け寄りたいのに足は頑として動かない。 シンと同じようにラクスも、もう一つの種石を前にして動くことができなかったのだ。 ギリギリ手の届く位置に安置されていたというのに、手を伸ばすことができない。ただ、その種石を手に取りこちらに歩み進んでくる姿を凝視するしかできなかったのだ。 どうしてこんな所でお会いするのでしょう。 会ったのはもう何年も昔に数回だけ。 思わず顔の前で手を合わせてしまう。その小指に嵌っているのは小さい時に送られた手作りの指輪。決して美しくはない、不恰好な指輪には宝石の一つも付いていなかったけれど、けれど確かにそれは約束の指輪だった。 目の前にいるのはその送り主。 かつての婚約者が暁の種石を手に、同じ光に包まれて優しく微笑んでいる。 ゆっくりと歩む姿が自分と同じ年齢を重ねていることに、これは幻だと分かっているのに。もしかしてと期待してしまう。 「アスラン・・・」 差し出された種石をラクスが受け取ると、本当に微かなけれど笑みを浮かべて脇を通り過ぎていく。その動きを追い、ラクスは振り返って彼の後姿をずっと見送った。 呆然と見送る彼女をシンがただじいっと見つめていることも知らずに、手の中の種石を抱え込む。 あれから7年も経つのに、こんな所でずっと待っていてくれたのだろうか。 王家の為にいつか立つわたくしを信じて? 光がすうっと引いていき、ダコスタが彼女に声を掛けるまでラクスはしばし時と場所を忘れていた。 戻る 次へ 長い・・・長いよ! 長すぎて読み直す気にならない。今回ちょっと詰め込みすぎかなあと、でも、ちんたらやってると終わらないし。進・ま・な・い。
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モーリーファンタジー イオン長浜店 住所 滋賀県長浜市山階町271−1 最寄り駅 長浜駅 営業時間 10 00〜21 00 最終確認日 2019/09/05 設置機種 トランスフォーマー・ヒューマンアライアンス デッドストームパイレーツ その他(メンテ等) トランスフォーマー・ヒューマンアライアンス1クレ100円 シアター筐体。メンテ不明。 デッドストームパイレーツSpecialEditionではない古い方。1クレ100円。メンテ不明。 2019/09/05 訪問